climate change

AMOCとは?地球の気候を支える巨大な海のベルトコンベア



どうも、コンカズ (@konkazuk) と申します。



気候関連の記事を読んでいると、時々アルファベットの頭文字を並べただけの謎の略語が出現します。
…とは以前の記事でも書きましたが、その中でもここ最近、特によく目にするのがこの”AMOC“。


海流のイラストと一緒に紹介されている事が多いので「海に関係してるんやろな。」とは思っていましたが、いざフタを開けるとちょっと難しい話が待っていそうなので、しばらく封印状態にしてきました。


ところが、いざ調べてみると、気候変動を理解するうえで欠かせないとても重要なキーワード。



というわけで今回は、この “AMOC” について見ていきます。



AMOCとは?

image by Jenna Bash

まず、AMOC (エイゥモックと発音)とは、Atlantic Meridional Overturning Circulation の略で、日本語では、「大西洋子午面循環」(たいせいよう しごめん じゅんかん)と訳されます。


Atlantic = 大西洋
Meridional = 南北方向の
Overturning = 上下が入れ替わる
Circulation = 循環

簡単に言えば、

大西洋で起こる南北方向の巨大な海洋循環システム


となります。




日本語訳で「子午面」という言葉が出てきますが、これは地球に関する用語で、北極と南極を結ぶ線(経線)を含んで、地球をスパッと縦に切った断面のことを指します。


暖かい海水は軽いので、海の表面を流れます。一方で、北の海で冷やされた海水は、海氷ができることで塩分が濃くなり、重くなって深海へ沈みます。



つまりAMOCは、大西洋を南北方向の断面で見たときに、

暖かい海水を北へ運び、それが冷えて深海へ沈み、冷たい水が南へ戻るという、巨大なベルトコンベアのような働きをするシステム


ということになります。


AMOCはどんな役割を果たしているの?

image by dmx

AMOCがなぜ重要なのかを理解するには、

海流というものが単なる海水の流れではなく、地球規模で熱を運ぶ役割をしている


ということを知っておく必要があります。



太陽の光は、地球のそれぞれの地に異なる強さで届くため、赤道付近がめちゃめちゃ暑くなるのに比べ、北極や南極に近づくと気温は低くなります。


そこで重要な役割を果たしているのが、AMOCによる海洋循環。



AMOCは、その一部であるメキシコ湾流などを通して、暖かい海水を南から北へ運び、冷たい海水を海の深いところを通して南へ戻すことで、大量の熱を大西洋の中で移動させています。

その結果、ヨーロッパは同じくらいの緯度にあるカナダ東部と比べて、冬でも比較的穏やかな気候になっているのです。



そして、AMOCが影響を与えるのはヨーロッパだけではありません。


海洋は大気と熱や水分をやり取りしているので、AMOCが変化すると、世界各地の気候や雨の降り方、海面水温、海洋生態系、さらには漁業にも影響が及んで、私たちの生活にもさまざまな変化をもたらす可能性があるのです。


なぜ今、AMOCが世界中で注目されているのか?

image by Hubert Neufeld

じゃあ、なぜここ最近、この “AMOC” が世界的に注目されているのか?


その理由は、地球温暖化によってAMOCが弱まる可能性があると考えられているからです。



AMOCは、北大西洋で海水が冷やされ、重くなって深海へ沈むことで成り立っています。しかし、地球温暖化が進むと、グリーンランドの氷が大量に溶け、その氷が溶けてできた水が北大西洋へ流れ込みます。

この水には塩分がほとんど含まれていないため、海水の塩分濃度が下がり、海水はこれまでほど重くならなくなります。そうなると、もともと深海へ沈むはずだった海水が沈みにくくなって、AMOCのベルトコンベアの力が弱まるのではないかと考えられているのです。


まだ近い将来にAMOCが止まってしまうという結論が出ているわけではないのですが、多くの研究でAMOCが弱まってきている可能性が指摘されていて、この先さらに弱まるリスクについて世界中の研究者が活発に調査を続けています。


AMOCが弱まると私たちの未来はどうなる?

image by Hans

それでは、もしAMOCがさらに弱まったら、私たちの暮らしにはどのような影響が出てくるのでしょうか?

AMOCが大きく弱まれば、ヨーロッパでは冬が現在より寒くなる可能性があります。

例えば、英国気象庁のシナリオでは、英国全体の平均気温が約5〜6℃低下する可能性も示されています。一方で、夏は単純に涼しくなるというわけではなく、地域によっては雨が減って干ばつが起こりやすくなることも懸念されています。



また、AMOCは世界の気候にも大きく関わっているため、雨の降る場所や量が変わったり、豪雨や干ばつなどの異常気象が増えたりする可能性があるとも言われています。



こうした変化は農業や漁業にも影響を及ぼすことになるので、食料供給や私たちの暮らしにも影響が広がる可能性が予測されています。

もちろん、これらがすぐに現実になると決まったわけではありません。しかし、AMOCは地球の気候を支える重要なシステムであり、その変化が世界中に大きな影響を及ぼす可能性があるからこそ、多くの研究者が注目しているのです。

というわけで、今回の記事は以上となります。ニュースで「AMOC」という言葉を見かけたときに、「ああ、あの大西洋の巨大な海流のことか」と思い出していただけたら嬉しいです。


それではまた。

コンカズ




スポンサーリンク
シェアする
konkazをフォローする
タイトルとURLをコピーしました