どうも。コンカズ (@konkazuk) と申します。
ニュースや環境関連の記事で「カーボンフットプリント」という言葉を見かけたことがある人はたくさんいるとは思いますが、でも実際にそれがどんな場面で、どのように使われているのかまで考えたことはあるでしょうか?
カーボンフットプリントは、商品のラベルに表示されていたり、企業の脱炭素のプランの中に取り組まれていたりと、すでに私たちの身近なところ存在しています。
しかしながら、その数字が何を意味しているのか、そして私たちの生活と、どのようにつながっているのかは意外と知られていません。
この記事では、カーボンフットプリントとは何なのか、どんな場面で使われているのか、そして私たちがそれとどう向き合っていくべきなのか、という内容で見ていきます。
なぜ今カーボンフットプリントが重要なのか?

「カーボンフットプリント」という言葉を近年耳にするようになり、一部の企業やブランドでは、商品に自発的にカーボンフットプリントの表示を行う動きも見られますが、世界的に見ると、まだそこまで浸透していないのが現実だと思います。
カーボンフットプリントを直訳すると
「炭素の足跡」
となるわけですが、じゃあ、なぜ今これを知ることが重要になってきているのか?
単刀直入に言うと、私たちは今まで資源を使い放題やってきて、煙を出し放題にしながら生活に便利なものを作ってきたわけですが、気候変動の影響が目に見える形で深刻化してきた今、そろそろ本腰を入れて向き合わなければならない段階に来ている、という事になります。
その現実に対処していくためにも、感覚ではなく、具体的な二酸化炭素の排出量を数字で把握していこう、というわけです。
カーボンフットプリントとは?

カーボンフットプリントとは…
私たちが使う商品やサービスが、生産から廃棄までの過程で、どれだけの二酸化炭素を排出しているのかを数値で示す考え方。
「こいつはちょっと環境に悪いんちゃうんか?」といった感覚ではなく、具体的な数字を使って、日々の私たちの選択が環境に与える影響を考えていこう、というのがポイントです。
この考え方の特徴は、製品を作っている工場だけを見るのではなく、原材料の調達や輸送、使っているときのエネルギー、捨てた後やリサイクルの段階まで、普段あまり意識しない排出も含めて考える点にあります。
たとえばシャツ一枚にしても、製造されてから捨てられるまでの間に、いろんな形で二酸化炭素が排出されています。
カーボンフットプリントは、こうしたすべての排出を計算して「見える化」するための指標になるわけです。
どうやって計算されているのか?

カーボンフットプリントは…
材料調達 → 生産 → 運送 → 使用 → 廃棄・リサイクル
までの一連の流れの中で、どれだけの量の二酸化炭素が排出されているかを積み上げて計算します。
*ちなみに、この一連の流れは「ライフサイクル」と呼ばれています。
たとえば、スマホ1つをとってみても、
▪️現地でのリチウムやコバルトなど、レアメタルの発掘
▪️世界中の工場で部品製造、組み立て
▪️原材料 → 工場 → 倉庫 → 店舗 (何度も国境を行き来して店にならぶ)
▪️充電と使用のくりかえし、クラウド・通信インフラの電力消費
(スマホは自分の手元だけで動いているわけではなく、世界中の巨大なコンピューターと常につながって動いている)
▪️電子廃棄物
(分解、金属の分離、高熱処理など、リサイクルされない場合は環境負荷がデカい)
と、こんな感じで、上のそれぞれの段階で二酸化炭素が排出されています。
つまり、カーボンフットプリントは、これらを全部を足して「この商品は合計でこれくらい排出しています」と数値で示すものになります。
もちろん、パーフェクトに測るのは簡単なことではないんで、国際的なガイドラインや、共通のルールを使って、できるだけ同じ基準で計算されるようになっています。
どこで使用されている?

カーボンフットプリントは、製造会社や関連企業だけの話ではなく、実はもうすでに私たちの身近なところで使われ始めています。
例えば、イギリスでは大手の代替ミートブランド “Quorn Foods” が、人気商品の多くのパッケージにCarbon Trust によるカーボンフットプリントデータを開示してますし、シューズなどで知られる人気ファッションブランド “Allbirds” なんかは、全製品に対してカーボンフットプリントを表示してるようです。
あと、ここ数年で多くのカフェなどで、コーヒーに入れるのに使われているオーツミルクのブランド “Oatly” の灰色のパッケージの裏にも見ることができます。
(ただし、EU域内向け共通パーケージには記載されていません。)
と、このような感じで一部の企業では、商品パッケージやウェブサイトに「この商品を作るまでに、どれくらいの二酸化炭素が排出されているか」を表示する取り組みが始まっています。
一方で、企業の側では、カーボンフットプリントは「我々は環境のことをちゃんと考えてるぜ!」というアピールではなく、実際にどこで排出が多いのかを把握するためのツールとして使われていて、どの部分を改善すれば効果が大きいのかを知るための指標となってきているようです。
このような動きから、近い将来「表示が義務付けられる」日がやってくるのは間違いないでしょう。
最後に

以上のことから、カーボンフットプリントの大きなポイントは、私たちが直接目にする工場の煙だけでなく、その裏側で起きている排出まで含めて考えるところにある、というのがわかっていただけたと思います。
▫️原材料を遠くから仕入れていないか?
▫️運営時に電気をたくさん消費していないか?
▫️捨てたあとに、焼却の過程で多くの二酸化炭素が出ていないか?
といった目に見えにくい部分も含められた考えです。
私たち個人ができる第一歩は、どの商品が、どこで、どれくらいの二酸化炭素を排出しているのかを知ること。
カーボンフットプリントを意識することで、日々の暮らしを見直し、商品を選ぶときにも「これは未来の世代にとって、少しでもマシな選択だろうか?」と立ち止まれるようになります。
そうした積み重ねこそが理想だと思います。

カーボンフットプリントは、これからもっと身近なものになっていくと思うので、みなさん今のうちに仕組みを理解しておきましょう。
それではまた。
コンカズ
