climate change

京都議定書の目的とは? COP3が示した温室効果ガス削減の目標



どうも、コンカズ (@konkazuk) と申します。



1997年に、日本は京都で開催された COP3 (第3回気候変動枠組条約締約国会議) の内容を復習していきます。

当時、僕はまだ日本に住んでいたのですが、こんな会議が起こっている事さえ知りませんでした。



今まで開催されてきた数ある国際会議の中で、COP3が最も重要な会議のうちの一つとして取り上げられる理由はというと…

1. 「京都議定書」の採択

この会議で採択された “Kyoto Protocol“「京都議定書」は、温室効果ガスの排出削減に関する具体的な目標を、法的に先進国に義務付けた最初の国際条約。

地球温暖化問題に対して世界が一つとなって取り組む、画期的な第一歩となりました。



ただし残念なことに、当時、温室効果ガスの排出量が最大だったアメリカは、この京都議定書を批准(条約に対する国家の最終的な同意) しませんでした。

その理由としては、


UNFCCCの条約内容では発展途上国が削減義務の対象外とされている一方で、アメリカに次ぐ排出量を誇る中国*や、同じく排出量の多いインドが削減義務を負わないのは不公平だと見なしたこと。

削減の義務がアメリカの経済競争力を弱体化させることは明白だと見なされていたこと。


などが挙げられます。



*ちなみに中国は、2006年に総排出量でアメリカを追い越し、世界最大の温室効果ガス排出国となっています。

2. 市場メカニズムの導入

「市場メカニズムの導入」は、それぞれの国が温室効果ガス削減目標を、コスト効率よく達成できるように設けられました。具体的には以下の3つ。

排出量取引(Emissions Trading)

この排出量取引は「炭素市場」とも呼ばれ、京都議定書の参加国が、余った排出枠を他国に売ったり、不足分を購入したりして、自国の削減目標を達成する仕組み。


共同実施(Joint Implementation)

先進国同士で削減プロジェクトを共有して、他の国で削減した分を自分の国の実績としてカウントできる仕組み。例えば、東ヨーロッパで省エネプロジェクトを行い、その成果を西ヨーロッパが自分の削減実績にできるといった感じ。


クリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism)

先進国が発展途上国で温室効果ガス削減プロジェクトを行い、その削減成果をクレジットとして自分の削減実績にできる仕組み。これによって、発展途上国の温暖化対策への参加を促し、同時に持続可能な開発を支援することができる。


といった感じになります。





「京都議定書」は、参加している先進国全体に対して、


温室効果ガスの排出量を2008年から2012年の間に、1990年比*で約5%削減すること


を目標として定めました。



*1990年は、多くの国々が温室効果ガスの排出量に関する信頼性の高いデータを初めて詳細に収集した年だったので、各国の排出量を公平に比較できる基準年として見なされた。



しかし、最終的には多くの国が削減目標を達成できず、一部の国では非効率的な削減策や不正が指摘される結果に終わりました。


にもかかわらず、この削減目標は世界で初めてとなる試みであり、2015年に行われた “COP21” で採択されたパリ協定へとつながる土台を築いたという点で、とても重要な会議であったと言えます。



というわけで、COP3の内容はこんな感じです。


それではまた。

コンカズ

*この記事の英語ヴァージョンはこちらから
👉 The Kyoto Protocol: The World’s First Step Towards Climate Change Action at COP3

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