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【分詞】”participle” とは何ぞや???《英語汁 第22号》

どうも コンカズ (@konkazuk) です 。

今回の記事では、「分詞」、英語で ”participle” の正体を突き止めます。

みなさんは、この「分詞」という何やらカチッとした短い名前の定義を調べたことはなくても、英語学習などで文章を作る際に必ず使っています。

何となく「こんなんやろな?」と思っているところを、一度ハッキリさせることによって、頭の中はかなり整理されます。

言ってみれば、「分詞」は、歯の隙間にひっかかった「ほうれん草」のようなものです。


今回の記事で、コイツを取り除いてスッキリさせてしまいましょう。

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そもそも分詞とは?

image by terry vlisidis

義務教育を含め、英語をかじったことがある方なら、「現在分詞」、「過去分詞」、「分詞構文」などの名前を目にしたことはありますよね。


これらは英語で順に、“Present participle”, “Past Participle” そして “Participle clause” と呼ばれるわけですが、この “participle” が「分詞」の部分にあたります。

participle” の説明を簡単な日本語に訳してみると…


英語には “participle” のカタチが2種類

  • The present participle現在分詞 (“-ing” で終わるカタチ)
  • The past participle =過去分詞 (たいていの場合 “-ed” で終わるカタチ)



あって、基本的にこれらは…



「動詞」がある目的のために変形させられたもの

つまり、見た目は “laughing” や “walked” のように、「動詞」のカタチが含まれていますが、

実はすでに「動詞」ではなくなってしまった「別物」


ということになります。


*ちなみに「分詞構文」”Participle clause” は「分詞」を使った用法の1つ、ということになります。

じゃあ、この「別物」はどんな役割をするのか?ってのを、ここから見ていきます。

形容詞の役割

image by Ben Wicks

実はみなさん、意識したことはなくても、日本語で普段使ってるんですよね。


例えば「泣いている赤ちゃん」や「ゆで玉子」。


この「泣いている」「ゆで」の部分ですね。


英語で言うと、


“crying baby” と “boiled egg” 


になるわけですが、

この “crying” と “boiled” の部分がまさに「分詞」と呼ばれるヤツなんです。

”crying” の方が、「〜している」と訳すことができる「現在分詞」、そして “boiled” の方が「〜された」と訳すことができる「過去分詞」になるわけですが、この2つがどんな役割をしているのか?



もうお気づきですよね。

「何をしている」 “baby” か? または「どんな」 “egg” か?ということで、これらの「名詞」を描写する「形容詞」の役割をしています。



と言うわけで、基本として “participle”「分詞」は、

動詞を「現在分詞」(〜している)、または「過去分詞」(〜された) というカタチに変形させて「形容詞」として使えるようにしたもの


という感じで覚えていただいたら、それでオッケーです。

形容詞としての現在分詞 (Present Participle) の例

image by michael dziedzic


「〜する」という動詞を変形させて、「〜している」のカタチにしたのが「現在分詞」なのですが、意識的にか無意識的にか、日本人が頻繁にやる面白い事実として、英語の「動詞」を「名詞」扱いにして日本語と混ぜて表現する、っていうのがありますよね。


(実際には「動詞」が同じカタチで「名詞」としても機能するものが多々あるのですが、まぁ、それは置いておいて…)


例えば “boil” は、基本的には英語で「沸かす」または「ゆでる」という意味の「動詞」として使われます。

ところが私たち日本人はよくこれを「名詞」扱いにして、さらに日本語で動作を表す「する」と混ぜて、「boil する」なんて言ったりします。

ということで、「沸いている」は、「boil している」そんでもって、「ゆでられた」は「boil された」となります。

「分詞」の使い方は、基本この感覚で覚えてしまって大丈夫です。



「現在分詞」をつくるのには、不規則な変化は生じないので、単純に動詞の語尾に “ing” を付けるだけで、すべて大丈夫です。


例を挙げると…

  • boilしている water  
    ➡︎  Boiling water
  • bleedしている cat  
    ➡︎  Bleeding cat
  • growしている population  
    ➡︎  Growing population
  • sleepしている lion   
    ➡︎  Sleeping lion
  • floatしている boat  
    ➡︎  Floating boat
  • annoyしている phone call  
    ➡︎  Annoying phone call
  • surpriseしている news  
    ➡︎  Surprising news



*boil (液体が) 沸く, bleed 血を流す, grow 増大する, sleep 眠る, float 浮かぶ, annoy (人などを) 悩ます, surprise (〜を)驚かす.


We rescued a bleeding cat from the gutter.

「私たちは、血を流しているネコを溝から救い出した。」


Somebody is sleeping on the floating boat.

浮かんでいるボートで誰かが眠っている。」



とまぁ、こんな感じですかね。

形容詞としての過去分詞 (Past Participle) の例

image by michael dziedzic

「〜する」という動詞を変形させて、「〜された」のカタチにしたのが「過去分詞」

この場合もさっきとおんなじですね。「動詞」と混ぜて、“pack” されたランチ、“spoil” された子供、みたいな感じでやっていったらオッケーです。

基本的なルールとしては、動詞に “ed” を加えて「分詞」の形にします。

  • smokeされた salmon  
    ➡︎  smoked salmon
  • steamされた rice   
    ➡︎  steamed rice 
  • extendされた deadline  
    ➡︎  extended deadline
  • colourされた copy  
    ➡︎  coloured copy 
  • meltされた chocolate  
    ➡︎  melted chocolate 
  • closeされた door  
    ➡︎  closed door 
  • liberateされた prisoners  
    ➡︎  liberated prisoners



*smoke (〜を) 燻製にする, steam (〜を) 蒸す, extend (期間などを) 延ばす, colour 色を塗る,  melt (個体を) 溶かす, close (ドアなどを) 閉じる・閉める, liberate (人を) 解放する


The price of smoked salmon has gone up.

スモークサーモンの値段が上がっている。」

Her hands were covered with melted chocolate.

「彼女の両手は、溶けたチョコレートにまみれていた。」


とまぁ、こんな感じになるわけですが、

過去分詞には、動詞が「不規則」(-edで終わらない形)に変化するものもたくさんあります


中にはカタチが、動詞の時と全く変わらないタイプのものもあったりしますが、これらの変形のしかたは残念ながら1つ1つ覚えていくしかありません。

  • freezeされた food  
    ➡︎  Frozen food 
  • breakされた leg  
    ➡︎  broken leg
  • mistakeされた man  
    ➡︎  mistaken man
  • spreadされた wings  
    ➡︎  spread wing
  • upsetされた lady  
    ➡︎  upset lady 
  • payされた holiday 
    ➡︎  paid holiday
  • biteされた hand  
    ➡︎ bitten hand



*freeze (水などを) 凍らせる, break (骨を) 折る, mistake 間違える, spread (腕、翼などを) 広げる, upset (人の気を) 転倒させる, pay (俸給、代金などを) 支払う, bite (〜に) 噛み付く.


He was dragging his broken leg.

「彼は骨折した足を引きずっていた。」


How many paid holidays a year does your company provide you?

「あなたの会社は、1年に何日の有給休暇を供給してくれますか?」


be動詞と組み合わせて時制をあやつる

image by Lucian Alexe

ここでは基本となる3つのカタチを例にあげて、「be動詞」「分詞」を組み合わせて文章を作っていきます。

be動詞 + 現在分詞 (進行形)

image by Lindsay Henwood

状態を表す「be動詞」と 動詞を変形させて「〜している」のカタチにした「現在分詞」を組み合わせることによって、「進行形」というカタチをつくることができます。

be動詞に現在形 (am / are / is) を使えば、現在進行していること (現在進行形) 「(今) 〜している。」を表現できます。



I am studying English.

「私は英語を勉強している。」

You are wearing new shoes.

「あなたは新しいシューズを履いています。」

She is playing volleyball with her friends now.

「彼女は今、友達と一緒にバレーボールをしています。」

be動詞に過去形 (was / were) を使えば、過去のある時点に進行していたこと (過去進行形)「(その時)〜していた。」を表現できます。



You were wearing new shoes in the party.

「あなたは、パーティーで新しいシューズを履いていました。」

She was playing volleyball with her friends yesterday.

「彼女は昨日、友達と一緒にバレーボールをしていました。」

「will be」 の後に「現在分詞」のカタチをもってきたら、未来のある時点で進行していることを表現 (未来進行形) することができます。「(未来のある時に)〜しているだろう。」



I will be flying to Japan tomorrow evening.

「明日の夕方、私は飛行機に乗って日本へ向かっているでしょう。」

She will be playing volleyball with her friends next Sunday.

「来週の日曜日は、彼女は友達と一緒にバレーボールをしているでしょう。」

be動詞 + 過去分詞 (受動態)

image by ergoneon

状態を表す「be動詞」と 動詞を変形させて「〜された」のカタチにした「過去分詞」を組み合わせることによって、「受動態 (受身系)」というカタチをつくることができます。

be動詞に現在形 (am / are / is) を使えば、現在形の受身のカタチをつくることができます。「〜される。」



I am delighted to see you.

「あなたに会えて嬉しいです。」

Foxes are regarded as very cautious animal.

「キツネは用心深い動物とみなされている。」

Wearing a mask in a crowded space is encouraged by the government.

「混雑したスペースでのマスクの着用が、政府によって奨励されている。」

*delight (人を) 嬉しがらせる, regard (〜だと) 見なす, encourage (〜を) 奨励する.

be動詞に過去形 (was/ were) を使えば、過去形の受身のカタチをつくることができます。「〜された。」



I was delighted to see you.

「あなたに会えて嬉しかった。

Those old houses were built two hundred years ago.

「あれらの古い家は、200年前に建設された。」


*build 建設する

「will be」 の後に「過去分詞」のカタチをもってきたら、未来形の受身のカタチをつくることができます。「〜されるだろう。」



You will be caught by the police if you don’t put your clothes on immediately!

「今すぐ服を着なかったら、警察に捕まってしまいますよ!」

She will be escorted by some security guards once she arrives.

「彼女が到着したら、彼女は何人かの警備員に護送されるでしょう。」



*catch (〜を) 捕まえる escort (〜を) 護送する

have + 過去分詞 (完了形)

image by D1_The One


「完了形」は、現在と過去との関連を示唆するという点で、今までの例と少しタイプが異なりますが…

(have / has) に 「過去分詞」を加えることによって、「〜してしまった。」と表現(現在完了形)することができます。



I have finished my dinner.

「私は夕食を食べてしまった。」

He has completed his task.

「彼は、仕事を終わらせてしまった。」


*finish (〜を) 終わらせる, complete (〜を) 完成させる

同じカタチで、have の代わりに、過去形の 「had」を用いれば「〜してしまっていた。」という(過去完了形)にすることができます。



I had finished my dinner by then.

「それまでに私は夕食を済ませてしまっていた。」

He had completedhis task by last Wednesday.

「彼は前の水曜日までに仕事を終わらせてしまっていた。」


image by qimono


というわけで今回は「分詞」”participle”についてでした。



動詞を辞書で調べた場合、「現在形」「現在分詞」「過去形」「過去分詞」と出てきますが、今回の記事これらが「クッキリ」したんじゃないかと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

それではまた。



コンカズ

*この記事の英語ヴァージョンは 👉 こちらから

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