洋書レビュー

リンダ・グラットンによる「ライフ シフト」を洋書で読む!



どうも、 コンカズ (@konkazuk) です 。


今回から英語で読んだ本の中からコイツはっ!ってのを、ちょこちょことフィーチャーしていこうかと思います。

初回ってことで、まず英語の本をどうやって読んでいったらいいかってのを前置きとしてやっときます。


まずはじめに、本を一冊読むってのは結構な労力がいるし、読書が習慣になっていない人にとってはそれなりの時間がかかるかと…


いろんな分野からの情報が、日々大量に押し寄せてくる今の時代、自分が学んだことをちゃんとアウトプットできているか?ってことがすごく重要視されています。

読書においては、本を読み終えた後に、その内容をどれだけ人に説明できるか?って事がその本の中身をどれだけ理解(吸収)したかを知るバロメーターになってきます。


その一方で、最近では便利なことに、YouTuberの人達がいろんな本の内容を短時間にまとめて動画で説明してくれていますよね。


気になる本はたくさんあるんけど、結局のところ、一年に読める本の量なんて限られてくるので、必要な情報を得るために、僕も時々お世話になってます。

しかしながら、英語学習の目的でパリッと読書をすることにはそれなりのメリットがあります。



それは本を読み進めていく過程で、

重要なキーワードや特別な表現方法に何度も遭遇することによって、読み終えた頃には、それらが自然に英語表現の形で頭に残っている

ということです。

image by Kranich17

(もちろん、それらを定着させるためにはアウトプットをすることが重要になってきますが…)


そのためにも、調べる英単語の選択には、十分に気をつけなければなりません。


あなたの英語のレヴェルが、まだあまり高くないとしたら、ページをめくるたびに目の中に飛び込んでくる、知らない英単語の量は必然的に多くなってくると思います。


しかしながら、それらすべての意味をいちいち調べていたら、1つの章を読み終えるのにも、恐ろしい時間がかかってしまいます!


そしてこれは、あなたが読むのを途中で諦めてしまう原因にもなりかねません。

更には、内容を理解するという読書本来の目的が、知らず知らずのうちに単なる英単語の勉強に変わっていってしまいます。w(経験談💦)


こうなってしまったら、英語でわざわざ本を読む意味がなくなってしまいますよね。


っていうことで、

知らない単語にぶつかっても、極力その英単語の意味を調べたい欲求を殺す努力をしてください。



スミからスミまで完璧に英語を理解しながら読書を進めるなんて、正直時間のムダです。



細かい所にこだわるクセがついてしまうと、それがかえって内容全体を理解しようとする能力を育てる邪魔をしてしまいます!!!

image by Ulrike Mai


それでは、どう読み進めていけばいいかというと…

例えば、ページを何回めくっていっても、何度も何度もしつこく出てくる同じ英単語やフレーズが必ず出現してきます。

そうなったら、そこではじめてその意味を調べましょう。

それらは十中八九、その本を理解する上でのキーワードとなる重要なヤツです。

ザコ単語は必死になって覚えたところで、どっちみち後で頭の中から消えてしまい、忘れてしまうのがオチです。


そんなザコ単語にムダな時間をかけるのはやめにして、60%(または半分)ぐらいの理解だったとしても気にせず、さっさと読み終えてしまいましょう。


そしてそのあともう一度、最後に目次を読み直してみて、一章に関して1コメントずつでも良いので、自分の理解したことを簡単に英語でアウトプットしてみましょう。

はじめはかなり大変だとは思いますが、ここで試行錯誤することによって、あなたが理解した内容を、頭の中で英語で組み立てる能力が身に付いてくるようになります。





…と言うことで, 前置きが長くなりました。


第一号で取り上げるのはこの本。

image from Amazon


教授としてロンドンビジネススクールで教えている二人、リンダ グラットンさんアンドリュー スコットさんによって書かれた…

“THE 100-YEAR LIFE”


「100年も生きちゃうよっ!」

「アナタ今のままでこの先大丈夫?」って感じですかね。

ちなみに日本語ヴァージョンでは「ライフ シフト」というタイトルで出版されています。

2016年に出版された本ですが、まだまだ手遅れではありませんよ。大切なのは、この本の内容を頭にブチ込んで、学んだことを意識しながら、毎日を暮らしていくことです。


この本を読むことで、目まぐるしく移り変わっていく現代社会においての、現在のあなたの立ち位置が、まず明確になります。


反対に、この本の中にある知識を今あなたが持っていないとしたら、(この本を)手に取るのが遅くなればなるほど、あなたの変化に対応するためのスタートポイントが遅れてしまうという事になります。

と言うわけで、出版と同時にこの本をゲットできた読者は、たいへんラッキーな方たちですね。


二人の著者からのメッセージを要約するとしたら…

現代人の寿命は確実に伸びてきているため、みなさん従来のコンセプトを捨てて、勇気を出して時代にあった生活スタイルに変えていかないと(または何も考えずにのほほんと暮らしていると)人生の後半に辛い思いをしますよ。


と脇腹に痛恨のジャブを入れてくれる内容です。



もうお遊びはおしまいって事です。



この本を理解するには、おそらく次の三つ…

  • Three stage life
  • Tangible assets
  • Intangible assets

がキーフレーズとなってくるので, ここではこれらの周りの内容をサクッと説明していきます。

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時代遅れの「3段階人生」からのライフシフト


この本を読む上で “Three stage life” という言葉が頻繁に出てきますが、著者はこれが多くの人にとって、時代の変化に対応しようとする際の妨げとなる ”curse” (呪い)と述べています。

さらに筆者は、この本の冒頭で人口統計学者(達) ”demographer(s)”によるデータ(例えば、イギリスや日本などをはじめとする先進国に2007年に生まれた場合、50%の確率でその人達の寿命は100歳を超える!)を表示。


ここで3人の異なる世代に生まれたキャラクター

  • Jack (ジャック・1945年生まれ)
  • Jimmy(ジミー・1971年生まれ)
  • Jane(ジェーン・1998年生まれ)


を、それぞれの世代の典型として登場させます。


そして、この3人にシナリオを設定し、それぞれのキャラクターが、急速に移り変わっていく今の時代をどのように生き抜いていくべきかと、繰り広げて行きます。


Three stage life” とは…

学校教育時代 ➡︎ 労働時代 ➡︎ 退職後時代

と、人生は大体この3つの段階に分けられるという、20世紀に築かれた典型的な人生設計の型みたいなもの(終身雇用の時代ですね)で、これは20世紀後半をアクティブに生き抜いてきた人生70年世代のJackさんの世代には完璧にマッチします。

ところが問題はJimmyさんの世代(ただいま40代後半から50代前半の方たち)です。



この世代は、自分の親、つまりJackさんの世代を見ながら育ってきてしまっているため、”Three stage life” のコンセプトが体に染み付いてしまっています。

Jimmyさんの世代には、時代が移り変わっていることには気づいてはいるものの、“Three stage life”の呪いが解けずに、なんとかなるだろう的な感覚でいるまま、変化に対応するための行動を起こさずにいる人たちがたくさんいます。

そしてこの “Three stage life” の型に沿って感覚的に人生を送っていると、人生のかなり後半になって初めて、自分の親の世代とは状況が違うということに気づくハメになり、その頃にはいろんな面において手遅れな状態 (ex. 金は残ってない、そんでもって社会に必要とされるスキルもないので職もゲットできない…など)になってしまっています。



この問題は、個人だけではなく社会全体においても、国の法律や企業のシステムが時代の変化に対応せず、いまだにこの “Three stage life” の型にしがみついている状態のものが多いため、大変ヤバイ状態にあると言えます。

“Tangible assets”


まず、Tangible[tˈændʒəbl] (タンジブル)とは日本語で、

”触れて感知できる、実体的な、有形の、はっきりと形のある”


という意味。


そしてAsset[ǽset] (アセット)は

”「資産」とか「財産」, またはその人にとって役にたつもの[こと],価値あるもの”


という意味を持っているので、

Tangible assets” といえば基本的にお金」のことを指します。

image by Sasha Freehand

この本では、

具体的な数字を出して、今現在の収入を考慮に入れてあなたがリタイアできる年齢リタイア後を生きる時間に対してどれぐらいのお金が必要になってくるか…

などをグラフで親切にもわかりやすく表してくれているのですが…

いやぁ… 低収入の僕としては冷や汗タラタラどころか、吐き気をもよおしそうってのが正直なところです。


僕がそうだったように、皆さんの中にもたくさんいると思うんですが、何十年後も先の将来なんてやっぱりなんとな〜くでしかイメージしていなくて、自分がその年齢に達した時に、

  • 今の年収からして、自分が将来どれぐらい貯蓄できているか?
  • どんなイベントがあって、そこにどれぐらいの出費があるか?
  • その年齢になった時に、働くためにどれぐらいの体力が残っているのか?
  • 投資をしているのであれば、どれぐらいお金が貯まっているのか?


なんて、一度立ち止まって具体的に想像することなんてまずないと思います。

まさに思考停止状態。

image by Boukaih

でも、これってやばくないですか?

僕は、限りなくJimmyさんの世代寄りで、しかもこれといったスキルも持ち合わせていないので、年齢的なことを考慮に入れてみても、直ちに社会に必要とされる知識や技術を身につけていかないと、将来的にも収入源さえ危うくなってきます。

このブログを始めた理由も、半分はブログを書くことを通していろんな役立つ知識を得るためです。



更には、時代の移り変わりが速いため、すでに今現在の時代に必要とされるスキルを持っている方々も、時代に合わせてスキルをアップデートしていかないと、結果的には同じように痛い目に会うことになると書かれています。

image by Ryan McGuire

ピラミッド型の年金システムも将来の見通しが絶望的(特に少子化問題を抱える日本は暗黒世界)である以上、個人レヴェルでの投資の早期スタート(特にJimmyさんとJaneさんの世代)が重要になってくるので、僕たちの世代は子供達にそういうことを伝えて、準備していかなくてはなりません。



そういう意味では、今年3月に発表された “日本で、2022年の4月から信託投資などの金融教育が高校の家庭科においてスタートされる” というニュースを耳にした時には、少しだけ希望の光が見えたような気がしました。

“Intangible assets”


Tangible assets”形のある資産」を意味するのに対して、“Intangible assets” は、「形のない資産」を意味します。

ということで “Intangible assets” には「お金以外の資産

たとえば…

  • 家族や友達との関係
  • 自分の持っている知識やスキル
  • 肉体面や精神面での健康


といったものが含まれます。

『資産形成』と言われると、お金を貯めることにみなさん目を向けがちですが、著者はこの “Intangible assets” を築き上げることの方がはるかに重要だと本の中で指摘しています。

なぜなら、この “Intangible assets” を築き上げることが実は ”Tangible assets” を築き上げるのに直接つながってくるからです。

image by Nattanan Kanchanaprat


Janeさんの世代や彼女よりも若い世代に対して、筆者は1つのシナリオとして、家庭を築き上げて身動きがとれなくなる前に、人生の早いうちからたくさん冒険をして、いろんな経験を積み、将来的に”Tangible assets” を築き上げるのにつながるであろう人間関係を広げたり、スキルを身につけていくことを薦めています。


僕がブログを立ち上げる際に、いろいろ参考にさせていただいたブロガーのヒトデさん”ブログの可能性について”という記事で、(ブログを書く上での)“Intangible assets” の重要性について述べているので, 興味のある方は読んでみると参考になると思います。

Tangible assets” を築き上げる重要性を述べる一方で著者は、

低収入労働者は長時間労働を強いられるが故に、人間関係を広げるために費やす時間や、健康を保つためのに費やせる費用も限られてくるため、今の社会のシステムのままではある程度の資産を持った一部の人間だけにしか、100年ライフの恩恵を受けることができない…


という問題も取り上げています。

アイタタタッ…


とまぁこんな感じですが、ここでは単にこの本を読んでいく上でのキーワードを取り上げたに過ぎません。

行動するための一歩を踏み出すためにも、そしてそのための危機感を直接感じるためにも、ここは実際に本を手に取って読んでみることをオススメします。

意図的なものなのか、1ページごとの文字数もキチキチに詰まってはいない本なので、意外に読みやすいかと思います。

と言うことで、興味のある方はコチラからどうぞ。👇


それでも私はまだ英語にはちょっと自信がない… まずは先に日本語で読んで軽く頭に入れておこう、って人は、こちらからのリンクからどうぞ。

それではまた、次の機会に…

コンカズ

*この記事の英語ヴァージョンは 👉 こちらから

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