どうも。コンカズ (@konkazuk) と申します。
先日、地元の環境グループ「サステイナブル・ハックニー」が主催する映画イベントが、ストークニューイントンのセント・ポール教会で行われたので、参加してきました。
「サステイナブル・ハックニー」による映画イベントの魅力は、単に社会問題に関連する映画を取り上げるだけでなく、そのテーマに関わるゲストを招き、上映後にパネルディスカッションを行うところにあります。
と言うわけで今回の記事では、「THE LINE WE CROSSED」を観た感想と、当日のイベントの様子をレポートしたいと思います。
「THE LINE WE CROSSED」はどんな映画?

“THE LINE WE CROSSED” は、近年イギリスを含む多くの国で強まっている「抗議の自由」への制限を追ったドキュメンタリー映画です。
2025年6月に公開されたリズ・スミス監督のこの作品は、化石燃料の燃焼によって引き起こされる気温上昇が、人類の存続すら脅かすレベルに進んでいる事実を訴え、政府からの抑圧に耐えながら戦う人々の奮闘を追っています。
差し迫る危機に全く無関心な市民に訴え続ける “Just Stop Oil” のメンバーは、非暴力のプロテストを行いながらも、逮捕・起訴・拘留といった形で法的・制度的な圧力にさらされます。
その過程を通して、民主主義の土台である「表現の自由」がいかに脅かされているのかが浮き彫りにされています。
言論の自由、プロテストする自由が失われつつある!

イギリスでは、ここ最近パレスチナの人々への連帯を示すために立ち上がった市民たちが、次々と逮捕されるという事態が続いてるのですが…
逮捕されているのは暴力的な活動家ではなく、平和的に声をあげている普通の人々です!!!
パレスチナで繰り広げられている人権を無視した悲惨な状況に対して、黙っていられないと感じた人々が立ち上がることさえ制限される… そんな世の中になってきているのは、極めて危険な状態といえます。
もちろん、今回の映画 “THE LINE WE CROSSED” の主役である “Just Stop Oil” のように交通を遮る直接行動は、パレスチナ抗議とは少々性質が異なるため、賛否があるかもしれません。
…とはいえ、「未来や人権を守ろうと声をあげる市民が、法的・制度的な圧力で抑え込まれてしまう」という事実は、どちらにも共通しています。
このようなサインを無視して何もせずにいると、私たちの知らない間に、権力者にとって都合のいい法律や規制が次々と作られ、気づいたときにはすでに「自由」や「人権」が奪われている、という状況になりかねません。
「自由」というのは、「健康」と同じで、なくなってはじめてその価値に気づくもの。だからこそ、「今のうちに守らなければならない」と訴えかけていくことが重要なのです。
私たちにできることは?

当日は、上映後のパネルディスカッションに、映画に出演していた本人達が登場し、正直とても驚きました。
「Just Stop Oil」 と聞くと、ナショナル・ギャラリーでのヴァン・ゴッホの「ひまわり」にスープをぶっかけた事件(ちなみに、修理費用はたったの150ポンドだったと言われていますが…)の印象が強いため、彼らのことを「過激なグループ」という印象を持っている人も多いかと思います。
しかし今回の映画、そしてパネルとして参加してくださった人達の話を聞いてみて、彼らが実は私たちと同じような「ごく普通の人々」なんだと強く感じました。
だからこそ、考えさせられるのです。
資本主義社会において真実を訴える人たちは、時に邪魔者扱いされ、国民がそこに気づかないように、権力者達はメディアを使って、彼らをあたかも「悪者」であるかのように報道します。
それでも彼らは、私たちにメッセージを伝えるために、いつか私たちが目覚める日を信じて戦い続けているのです。
では、同じ社会に生きる私たちは、この現実を前にしてどう行動できるのか?
全員が道路に座り込んだり、アートギャラリーで抗議をする必要はありませんが、これを「自分には関係ないこと」と切り離すのではなく、日常の中で真剣に考えていかなければならない時期に、私たちはすでに突入しています。
映画や本に感動して、そこで終わっていては何も変わりません。
大切なのは、その感情を「次にどう生かすか」です。
小さな一歩でも、そこから社会は動き始めます… !!!
というわけで、今回の記事は以上となります。
それではまた。
コンカズ