こんにちは、コンカズ (@konkazuk) です 。
今回の “英語で本を読もう !” はこちら…!!! 👇
Peter Diamandis (ピーター・ディアマンディス)さん(X Prize の創設者で、エンジニア、医者の学位をもっていて、発明家でもある。 2014年には、フォーチューン誌で「世界の偉大なるリーダー50人」のうちの一人に選出される。)
と、
Steven Kotler (スティーヴン・コトラー)さん(ジャーナリスト、起業家。ニューヨーカー誌のコラミストでもある。)による共同著書、
“Abundance / THE FUTURE IS BETTER THAN YOU THINK“
日本語版では
“2030年、すべてが「加速」する世界に備えよ”
の題名で出版されています。
参考までに、Youtubeやブログなどで日本語版の本の要約を拝見させていただいたのですが…
正直なところ、たいていのものが、オリジナルの本の中から現代テクノロジーや、近未来に関連したキーワードを拾ってきて、それに対して自分が持っている知識や情報、または意見を添えて書き上げられた、何か少し別の本という印象を受けました。
目次もオリジナルとかなり異なっていますし…
という訳で、日本語バージョンとオリジナルとの間に、妙なギャップを感じたので、それならオリジナルヴァージョンに近いものを僕が皆さんに伝えられないか?と思い、ほぼ要約という形で記事を書き上げました。
まぁ、それは置いておくとして、この本を読んで感じたことは、
今の時代、長い間情報収集を怠っていると、かなりのレヴェルで置いてきぼりを喰う
って事ですね。
この本が出版されてから、ほぼ10年近く経ってくるんで、最先端の情報本とは言えないのですが、現在得ることができる情報において、物事がそこに辿り着くまでの過程、その間に世間では何が起こっていたのか、を知るには打ってつけの本です。
最近いろいろと、物事が変化するスピードがアホみたいに速いですし……
ということで、初めに断っておきますが、本の中身死ぬほど濃いです!!!
情報量が半端じゃないんで、英語初心者レヴェルの方にはボキャブラリー的にかなり厳しいかもしれませんが、今後英語で知っておいて損はしない用語ばかりなので、トライしてみたい方は、噛み締めながら読んでいきましょう。
テクノロジーが全ての問題を打開する!
現代社会は、環境問題によるクライメートチェンジ、人口の増加と食糧不足、資源の不足、テクノロジーの発展とそれに伴う危険性など、深刻な問題だらけで、「地球は秒刻みで破滅に向かっている」という悲観的(pessimistic)な考えがはびこっています。
しかしながら、こういったネガティヴな考えが生まれる原因は、人間の脳の一部に、
”amygdala・アミグダラ(扁桃体)”
と呼ばれる、危険な状況に対して常に警戒する神経構造があって、その部分が防衛的な対応をしようとすることによります。
そして更にそれらをメディアが脅したりして煽ったりするから、人々の観点はさらに悲観的になるのです。
でも実際はそうではなくて、人類の生活はテクノロジーの開発で、以前と比べたら世界は確実に豊かになってきているのですから、皆さんがポジティヴなアティチュードをもって、このまま更にテクノロジーの開発を進めていけば、全ては解決し、みんなで幸せを得ることができるのですよ。
…っていうのが冒頭のメッセージですかね。
これだけ読むと、アメリカという、20世紀から資本主義(capitalism)を先頭になって引っ張ってきて、資源(resource)を乱用し、自分の国の利益のためなら、他の国の自然さえも破壊する事を繰り返してきた張本人が、
実際のところ、日本を含め、どの先進国もやってきていますが…
実際に洪水や森林火災や津波などの自然災害を目の当たりにし、それに伴った世界中から浴びせられる非難を回避するために、脳の一部の機能を取り上げておいて、みんなが不安になるのはその神経器官が原因(でもそれって単純に人間の本能なんちゃうん?)だと主張しておくことで、世界を丸めこもうとしていうようにも見えるような…
そんでもって、今度は都合のいいように、自分たちを世界を救うためのイヴェントを立ち上げているリーダーに位置づけしておいて、問題解決につながる最後の救いの種であるテクノロジーの発展を成し遂げるために、世界中の発明家に呼びかけて、賞金を出すからタイムリミット内で地球を救うことをできるすごいアイデアを出してくれ(尻を拭ってくれ)…と、
(お前らも結局のところ共犯なんだからちょっと手ぇ貸せや!ワシらもちょっと1,2 週間ほど牛肉ステーキ食べる量減らすからよぅ!アマゾンで飼ってる牛たちにもゲップしねぇように言い聞かせとくし… )
という代わりに、
”みんなで助け合っていっしょに世界を救うヒーローになろうよ?!”(笑顔コワイし…!)
ってな感じでビジネスのリーダーたちに囲まれたヤクザの親分が赤い目を光らせて、世界に呼びかけているようにもとれます。
スミマセン、もう完全な偏見ですね。w バイデンさんが大統領に就任してもうしばらく経ちますが、ドナルド・トランプ元大統領の印象が強すぎて、なんかもう頭の中にアメリカの悪いイメージしか残っていません。この本が出版されたのは2012年なので、トランプ大統領就任(2017−2021)よりも5年も前です。オバマさんガンバってたし…
確かに現代人の生活は、何百年、あるいは何十年も前と比べたら、
- 保険医療のエクスポネンシャルな改善
- 幼児の死亡率のエクスポネンシャルな減少
- 人類の寿命のエクスポネンシャルな増加
- 水洗トイレ
- 安全な飲料水
- パソコン
- モーバイルフォン
- エアーコンディショニング
- 電力
- 交通
など、(先進国の)生活の快適さのレヴェルは、全てにおいてエクスポネンシャルな勢いで上がってます。
ところで、エクスポネンシャル、エクスポネンシャルって、ページをめくるごとにエクスポネンシャルな勢いで出てくるこの単語。
“Exponential = 指数関数的な“
という意味で、つまり…
“変化がもう恐ろしいほど急激に”
ってことです。
まぁ上であんなこと書きましたが、先進国に住んでテクノロジーの恩恵を受けているのであれば、皆さんの誰もが「共犯」ですね。
今手元にある生活レヴェルを下げるのは、やっぱり気が進まないでしょうし…
ということで、テクノロジーの進化によって引き起こされた問題は、テクノロジーの更なる開発が解決するってことで、頑張っていく以外方法はなさそうです。
Building the Pyramid of Abundance(豊かさピラミッドの構築)
はい、この本の14ページ目で、20世紀のアメリカの心理学者、Abraham Maslow(エイブラハム・マズロウ)さんが、人間が自己実現に向かう過程に通過する5つの欲求を、五段階の階層(five levels of human needs)で表したことが取り上げられています。
(上の図のように、それらはしばしばピラミッドの形で表されています。)
これをモデルにして、地球全体のAbundanceに努めていくために著者はピラミッドを3段階にリモデルします。
Pyramid of Abundance / Level 1 (bottom level)
”Abundance” とは日本語で「適切な量や供給量を超えている特質、豊かさ、ありあまる, etc.」の意。
僕の言う “Abundance” は全てを含んだ考えだ。
つまり、世界中の一人一人を含む。世界中のすべての人たちが “well-being” (健康な状態) を手に入れなければならない。
このピラミッドの一番下の階層は、人間が生きていく上で必要なものに対する根本的な欲求”、すなわち…
- food (食物)
- water (水)
- shelter (住まい)
に関して、と言うことになります。
ある生活レヴェルのアメリカ人が、テレビ、電話、電気、水道、室内の水道、ガスなどの配管施設などを保持しているにもかかわらず、“貧困” (poverty) という部類にカテゴライズされるかたわら、大抵のアフリカに住んでいる人々はこれらを所有していないというのが現実。
例えばソマリアでの1日の平均的な生活コストが1.25ドル以下と言われています。
これらの事実を踏まえると、“Abundance”という目的を達成するために先進国は、発展途上国の人々が少なくとも生活をしていくのに必要なベーシックスを手に入れられるように手助けをするべきだ、ということになってきます。
Bill Gates (ビル・ゲイツ)によれば、「生活水準の改善が人口増加問題の解決に直接つながってくる」とのこと。
なぜなら、貧乏な国の家族が、たくさんの子どもをもうけるという行動をとるのは、”そのうち何人が生き延びられるか?”という確率が本能的に刻まれているからだ。
生活水準が改善されるにつれて生まれてくる子供の数が減るという事実は、ここ40年間の各国の調査で明らかにされています。
生活水準の改善の中でも特に “きれいで安全な飲料水の供給” は、重要な課題。
発展途上国に住む人たちがかかってしまう大抵の病気は、汚い飲料水が原因で、子供達が生き残れない理由もここにあります。
ハイ。ここでちょっと英語の勉強…
- 出生率 (birth rate)
- 死亡率 (mortality rate)
このジャンル内で頑張っている人たちのうちの一人に、Dean Kamen (ディーン・ケイメン)という、元々は医師(なんと独学!)だった人がいて、腎臓の透析の研究をしている間に浮かんだアイデアから、きれいな水を生み出すための蒸留システムの発明に成功しています。
その現在のヴァージョンの ”Slingshot” (スリングショット)と呼ばれる装置は、ヘアードライヤーを使うのに必要なエネルギーだけで、1日1000リットルの浄化できるとのこと。
彼は、2011年からコカコーラ会社の助けを借りて、スリングショットを商業スケールで生産することによって、発展途上国にクリーンな水を供給する活動をしています。
彼の他にも、イギリスのエンジニアで Michael Pritchard (マイケル・プリチャード) という人が、津波やハリケーンなど、災害にあった人たちへ水を供給する際において、大量の水を現地に運ぶ以外に何か良いアイデアはないか?と考えた後、Nanotechnology (ナノテクノロジー) を取り入れた ”Lifesaver bottle”(見た目はハイテクではないそうですが…)を発明。
従来のフィルターよりもはるかにきめが細かく、バクテリアだけではなく、病原体までシャットすることができるらしいです。
“Nanotechnology” は21世紀の超重要なキーワードです。
Nanoは数字で表すと、10億分の1 (0.000 000 001)で、爪が一秒間に伸びる長さと同じだそうです。
う〜む… ちょっと想像し難い。
さらに開発されたものでは、水をdesalination (除塩、脱塩) する際に、かつては沸騰させたりするなど、コスパが非常に良くない方法が使われていたようですが、2010年にNanoH2Oという会社が、ナノテクノロジーの導入によって、70%の更なる水の確保と同時に、20%のコストダウンに成功しています。
さて、食糧不足に関してですが、こちらも深刻です。
現在の人口増加に対応していくためには、2050年までに今の倍の農産物の生産が必要とされるとのこと。
しかしながら、そのために使用できる土地の80%は既に使われていて、その上、クライメートチェンジによる災害で、この先10年の間に10〜20%の穀物の生産量が落ちると予想されています。
皆さん既に現時点で、いろんな災害をニュースなどでキャッチしていることだと思います。
そんな中、土地の確保のアイデアとして進められているのが、
Vertical farming (垂直農法)。
都市での高層ビル内や、倉庫などでシェルフなどを利用して農作物を栽培します。
消費地の近くに場所を確保することによって、輸送するときに生じる二酸化炭素の排出量を削減できるという利点もあるそうです。
健康を保つためには、穀物だけでなく、protein(タンパク質)も必要です。
しかしながら、Ranching (牧畜)による温室効果ガスの排出量(牛のゲップによる)は、世界中の全ての自動車が排出するそれよりも上回ると言われ、地球を滅亡に向けて引っ張っている大問題の一つとされています。
近年 Vegetarian や Vegan などのムーヴメントも頻繁に見られますが、それでも肉の消費量は年々増加する一方。
そこで期待が寄せらているのが、
“Cultured meet (培養肉)“
または “In-vitro meat” (in-vitroで「試験管内での」という意味) とも呼ばれます。
イギリスの元首相 Winton Churchill (ウィントン・チャーチル) が1932年に、
「今から50年後には、チキンの羽根や胸部の肉を別々に育てる手段が生まれることによって、ただそれらの部分を食べるだけのためにチキンを丸ごと一匹育てるというバカげた行為をしなくても済むようになるなるだろう。」
という発言をしていたようですが、まさに今これが現実化しようとしています。
ちなみに培養肉は、Stem cell (幹細胞 / 自己複製能力と、他のさまざまな細胞に分化する能力を持つ特殊な細胞)、を用いたテクノロジーによって作られます…
なんてことを書いている間にシンガポールでは2020年12月に既に販売が開始されているようです。
このまま行くと、私たちの食卓に培養肉が並ぶ日も時間の問題のようですね。
Pyramid of Abundance / Level 2 (middle level)
ピラミッド2段目は…
- energy (エネルギー)
- education (教育)
- access to communication and information (通信と情報へのアクセス)
となります。
地球のエナジー不足はヤバいことになっています。
… が、もしこの分野を克服することができれば、電気が使えるようになるわけですから、教育の発展、仕事の配給、と繋がって貧困問題の解決につながります。
The United Nations (国際連合) によると地球上では、15億人が未だに電気のない状態で生活、35億人が木材や炭を料理や暖を取るために使用しているのが現実。
アメリカに住む Andrew Beebe (アンドリュー・ビービ) というソーラーエネルギーが最もパワフルな資源と信じているヴェンチャー起業家が、21世紀初頭から PV(photovoltaic) panel (光起電力パネル) の取り付けに取り組んでいます。
PV panelは今や世界的な売上を誇り、ここ30年間のデータによると、生産量が二倍になるごとに、その生産コストは20%も落ちてきているとのこと。
その後、さらに開発は進み、MIT (Massachusetts Institute of Technology / マサチューセッツ工科大学)が、炭素のnano tube・ナノチューブを使ってPV panelを百倍も効果的にすることに成功したことにより、大量のパネル設置の必要性がなくなりました。
アンドリュー・ビービさんにとっては、ビジネスをやっていく上で、良いニュースではありませんが…
そしてさらには、他のカンパニーが普通の窓をPV panel化することに成功。屋根にパネルをつける必要さえなくなります。
ソーラーエナジーの開発はどんどん進んでいきます。
一方で、Biofuels (生物体原料を燃料にしたもの) の分野でも開発は進められています。
Algae (藻類) によるPhotosynthesis (光合成)から抽出できるオイルを燃料にするアイデアですが、この光合成自体もテクノロジーの力で、人工的に操作ができるようになることが近い将来可能かと。
その他には、Nuclear (原子力)による発電も従来のものよりも安全性を含め、より効果的なものへと開発が進められています。
続いては、教育に関してです。
発展途上国においては、教育のやり方がどうというよりも単純に学習のための環境が整っていません。
では、何が必要とされるか?
Affordable (入手可能な) なコンピューターが求められています。
建築家のNicholas Negroponte (ニコラス・ネグロポンテ)さんは、子供たちは ”learning through doing” 行動することによって学んでいくと確信している数学者のSeymour Papert (スィーモア・ペパート)と意気投合。
そして2005年には、
One Laptop Per Child (OLPC)
“ラップトップを各子供の手に運動” を開始。
現在(この本が出版された時点)300万人の子供たちの手に届けられています。
この後ラップトップはタブレットに、そしてモーバイルフォンへと移っていくことになります。
一方先進国では、現在の学習過程に退屈し、学校で問題を起こしたり、ドロップアウトしたりする子供たちの増加が問題となってきています。
この問題を打開するために、ゲーム感覚で学べて、それと同時にaddictive (中毒性の効果のある) 学習法が求められ、Salman Khan (サルマン・カーン)さんがYouTube上に立ち上げた学校 (Khan Academy)を筆頭に、教育もますますオンラインの方向へ移っていきます。
さらには、もっと機械ベースでフィジカルな学習法を好む子どもたちのために、いつでもどこでも準備オッケーな、AI tutor /ロボット先生の開発も進められています。
情報通信、情報収集の手段はもう明らかですよね。
1982年当時に発売された重さ13キロ弱、当時の値段で2,500ドル(約217,000円)したコンピューターは、今となっては iPhone などのモーバイルフォーンに。
さらに将来的には、”テクノロジーを人間の体の中に”、ということで、Googleの設立者の一人である Larry Page (ラリー・ペイジ) は、疑問が生じたら、オートマティックに情報が届けられるように
「Googleを脳内に」
という構想を持っており、賛否両論となっています。(怖ぇ〜!)
Pyramid of Abundance / Level 3 (top level)
最後にピラミッドの一番上に来るのが、
- freedom (自由)
- health (健康)
発展途上国内では、「診断されていない」ことが理由で、先進国ではすでに100年近くも前から治療可能になっている病気によって、たくさんの人々(特に子どもたち)が命を落としています。
簡単な血液検査をしてもらうための金銭的な問題がどうこうという以前に、「医者に診てもらいにいく為の公共交通機関がない」わけですから、どうしようもありません。
そこで現在、
Lab-on-a-Chip (LOC)
「患者をその場で、しかも短時間で診断できる事を目的としたマイクロチップ上で微量の液体を扱うことができる装置」というテクノロジーの開発が進められています。
これに自分の体液のサンプルを落とすことによって、患者本人でも診断が可能になります。
その一方で問題になっているのが、診療ミス。
最近 RANDコーポレーションから発表されたものによると、毎年何千人もの人たちが病院内で診療ミスにより亡くなっているとのこと。
成人が適切な治療を受けられる可能性は55%と言われ、残りの45%は医師から間違った診断をされるということです。(マジ?)
瞬時に患者のデータから情報を集め、完璧に分析することができるスーパーコンピューターを開発したとしても、データに問題があってはどうにもなりません。
だからと言って、患者との会話からだけでは正確なデータは得られません。
となると最終的には、X-ray や CT scans に頼らざるをえなくなってくるのですが、何しろサイズがデカイし、エネルギーのコスパは悪いし、他にも色々と高くつくしで、発展途上国では無理。
そこでなんと、「スコッチテープを真空内で剥がすとX-rayが放出される事実」が発見されます。Wow!
これによって、USBメモリーの半分のサイズで、コスト1ドル以下のX -ray装置が発明されることになります。
近い将来には、患者の住所にこのX -ray装置が設置されたブラジャーのようなものを郵送し、患者がそれを体に取り付け、スイッチオンした後に、オンラインで医師とやりとりをしながら手続きを済ませた後、患者はそれをまた郵送し返すだけ、という人が移動しなくても診断ができるという、時間もコストも最小限という驚くべき世界が待っています。
他にもロボットの看護婦さん、先ほど培養肉のところでも登場した Stem cell (幹細胞) や 3-D printing, そしてDNA sequencing (遺伝子組み換え)を活用したケガや病気の治療など、世の中えらいことになってきます。
次に、生きていくために必要なものが全てそろった上での freedom (自由)ですが、ここに表現の自由、人権など様々な要素が乗っかってきます。
グローバル化が進む中、自由な情報交換は誰にとっても重要な事となって来たため、2011年、The United Nations (国際連合) は
“インターネットへのアクセスは基本的人権である”
と宣言します。(P206)
さてここでの重要なキーワードは
ICT (information and communications technology) です。
このICTを活用した「Ushahidi」, 「World is Witness」, 「WikiLeaks」, 「Enough is Enough」などのウェブサイトは、人権を脅かす行為の通報、危機的な状況などにおいての通信、選挙の際などの不正行為の監視などに役立ってきていますし、Twitter や Facebook などの SNSを用いての情報交換により、国内情勢の危機が回避されたケースも見られます。
ただ、良い人間も悪い人間もアクセスできるので、色々と大変ですね。
”Here is to the crazy ones” (クレイジーな奴らに乾杯!)
成功するかどうかわからないことに打ち込むためには情熱だけでなく、それを押し上げてくれる incentive (動機・誘因)が必要となってきます。
1927年にリンドバーグがニューヨーク・パリの飛行に成功した時も賞金が絡んでいたように、何かが成し遂げられる時にはいつの時代も
incentive prize (奨励金)
が重要な役割を果たすこととなります。
著者のPeter Diamandis (ピーター・ディアマンディス)さんがX Prizeを立ち上げた目的も同じです。
アメリカの人類学者がかつて発言したように、偉大な発明を成し遂げるのは、大企業などの大きな組織ではなくて、常に小さなグループだと著者は確信しています。
余裕のある大企業がチンタラと余計なものに投資したり、または損害を避けるためにリスクを背負うのを避けたりする反面、小規模グループは、リスクを恐れず、しかもローコストで目標を達成する傾向にあります。
そして参加者が、ルールを無視し、”向こう見ずでクレイジー” な発想を持った人材である事と、
“追い詰められていること” も大発明がなされるための要因となります。
だから奨励金コンペティションにはdeadlineがつきものなんですね。
という事で、この本の要約は以上となります。
いやぁ、ここまで付き合ってくれた皆さん、どうもありがとうございました。
お疲れ様です。
大変な内容ですが、英語能力は今後ますます必要となってきます。
この本の中には、今の時代に必要な知識がたくさん詰まっているので、是非とも手に取って英語で読んでみることをお勧めします。
それではまた次の機会に。
コンカズ
*この記事の英語ヴァージョンは 👉 こちらから