どうも。コンカズ (@konkazuk) と申します。
昨年、環境破壊や気候変動に関する本を読み漁ったり、パリ協定で設定された温暖化の上限1.5°Cをとうとう超えてしまったというショッキングなニュースを受けたりしたことから、自分たちにもできることはないかと、時折カミさんと話し合っていたのですが、その中で上がったうちの一つが「緑の党」の手伝い。
地元ハックニーの緑の党のウェブサイトを調べてみたところ、ちょうどフライヤー配布のボランティアを募集していて、その後カフェで集まってティータイムを楽しむと書かれていたので、新年早々に参加してきました。
というわけで、今回の記事はその体験レポートと、緑の党に関連した記事となります。
帽子の中から現れたピンクの前髪
まずはじめに、ロンドン内のハックニーと呼ばれる区域(Borough)は、さらに21の地区(ward)に分かれていて、そのうちの1つであり、僕も以前に住んでいたことがあるダルストン(Dalston)と呼ばれる地区で、今回のフライヤーの配布は行われました。
ロンドンは基本的に、労働党がブイブイ言わしているのですが、その中でもハックニーは特に労働党が強いと言われている区域。
ハックニーには、合計で57人のCouncillor (区議会議員/各ward に2〜3人) がいるのですが、そのうちの45人が労働党のメンバーであるのに対し、緑の党の区議会議員はたったの3人。
その3人のうちのひとりが、ダルストン地区を受け持っているゾーイ・ガーベット(Zoë Garbett)さん。
ゾーイさんは、2022年の5月からダルストン地区の区議会議員をやっているのですが、2024年からはロンドン議会(London Assembly)のメンバーとして、ロンドン全域を代表する議員としても活動しているという強者。
少数派の緑の党が、労働党支持者が多いハックニーで勢力を拡大するためには、環境問題への関心が高い若い住民の心を掴んで、ターゲットとする地区で候補者を立て、議席数を増していかなければなりません。
というわけで、今回のフライヤー配布は、新年の挨拶も兼ねているわけですが、さらに、4年に一度行われる区議会選挙が来年2026年に控えているため、それに向けた活動の「キックオフ」という意味でもあるわけです。
待ち合わせ場所の図書館の中から、しばらく外を眺めていると、目の前のグループの中で青いコートに身を包んでいた人物が、頭に深くかぶっていた帽子を少しずらしました。
するとその瞬間、鮮やかなピンク色の前髪が現れて、ゾーイさんだと気づきました。
フライヤー配布
さて、新年早々ということで、集まった人数は僕たちを含めて7人ほど。
お互いに簡単な自己紹介を済ませた後、ゾーイさんから簡単な説明があり、3つのグループに分かれることになりました。
通常はペアで行動するらしいのですが、僕とカミさんは初心者だったため、ラッキーなことに緑の党で約10年活動しているオーストリア出身のアルフレッドさんと一緒に3人で行動すること…
都市開発が進んだダルストンには新しいビルが多く、セキュリティーが二重化されているため、まずはゲートのインターホンで住人とやりとりする必要があります。
しかし、そこはベテランのアルフレッドさん、手続きを心得ていて、彼が説明すると大抵の人はすんなりとビルの中に入れてくれました。
もちろん中には、不機嫌な住人や、基本的に自分と直接関係ない人はお断り、って人たちもある程度いましたが、人が出入りするタイミングを待ったり、ここでは言えない裏技を使ったりなどして、無事にノルマを完了。
普段なら絶対に入る機会はないであろうビルに足を踏み入れたり、人通りが多くて騒がしいメインストリートに並んだ建物の裏に、なんとも風情があって別世界のオーラを放っているエリアを発見したりなど、楽しい経験をすることができました。
最後はみんなでカフェに集まって、雑談。
みなさんとても親切で明るく、ポジティブなエネルギーを放っていて、参加した僕たちのほうが逆に1日分のやる気と元気をもらったような気がしました。
貴重な経験をありがとうございました。
「緑の党」ってどんな政党?
イギリスに数多く存在する政党のうちの一つ “Green Party” こと「緑の党」といえば、名前を聞いただけで、大体どんな政党なのかはイメージがわくかとは思いますが、ここで少しだけ簡単にまとめておきます。
まず、僕が今回フライヤーの配布を手伝った緑の党には “Green Party of England and Wales” という名前がついていて、文字通りイングランドとウェールズが共に活動している団体となります。
(スコットランドや北アイルランドは独自の議会を持っているため、それぞれ独立した緑の党が存在します。)
緑の党は1973年に設立され、当初の党の名前は、なんと…
“Human Ecology Party” (人間生態学党)!!!
その後、1985年に環境保護、社会正義、持続可能な経済発展といった党の理念をより強調するために、”Green Party”(緑の党)と改名されました。
主な政策としては…
⚫ 気候変動対策
⚫ 再生可能エネルギーの推進
⚫ 公共交通機関の強化
⚫ 富裕層への課税強化
などがあげられます。
緑の党は、政治的には左側に位置し、気候変動対策以外にも、ユニバーサルベーシックインカムの導入や、移民や難民の受け入れ、LGBTQ+の権利拡大も支持しているということで、労働党よりもさらに左寄りの政党となります。
2010年の総選挙でキャロライン・ルーカスさんが初当選し、それ以来彼女が緑の党唯一の国会議員として活動を続けてきましたが…
2024年の総選挙では新たに4名の党員が議員として選出され、大きな前進を果たしました。
というわけで、現在環境問題への関心が高まる中、今後の成長が期待される政党です。
まとめ
僕は労働党も、一般市民の生活を応援する左派の政党として好きなのですが、最近は特に緑の党を応援したくなっています。
その理由の一つは、僕がフォローしている経済学者で活動家のゲイリー・スティーブンソンさんが切実に訴えている「富裕層への課税強化」が、緑の党の政策と一致していることです。
また、労働党と緑の党を比べてどちらが良いかという話ではなく、個人的には緑の党が力をつけることで左派全体が全体の層が厚くなって、環境問題を含む社会全体が健全な方向に向かうと思っています。
そんな理由から、緑の党を応援したいですね。
というわけで、今回は「緑の党」に関する記事でした。
それではまた。
コンカズ
*この記事の英語ヴァージョンはこちらから
👉 My Experience Distributing Green Party Flyers: Understanding What the Party Stands For