Life in the UK

貧富の差拡大を阻止するエコノミスト、ゲイリー・スティーブンソンの活動



どうも。コンカズ (@konkazuk) と申します。


今回は、ここ15年ほど前からイギリスを含めた世界各国で起こってきている「格差社会の急激な進行」を阻止するために活動している、元トップ証券マンで、現在は経済学者の”Gary Stevenson“(ゲイリー・スティーブンソン)さんのことを、日本に住む方々にも知ってもらいたくて、記事を書きました。

ゲイリーさんは、自己のYouTubeチャンネルの中で、現在の危機的な経済状況を一般人にも理解できるように、すごくわかりやすく説明してくれています。

私たち庶民ひとりひとりの力では、大きなことはできませんが、ラッキーなことに今の時代にはSNSという便利なものがあります。

活動家をフォローすることで、その人の社会的な影響力を増大させることは、私たちにもできることです。


この記事を読み終えた後、ゲイリーさんの訴えていることに共感できたのであれば、ぜひとも彼のYouTubeチャンネル “Garys Economics” をサブスクライブして、いっしょにに学んでいきましょう。

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ゲイリー・スティーブンソンさんはどんな人?

ゲイリーさんは、イギリスは東ロンドンの出身


ロンドンの東部は、もともと工業地帯であったため、華やかな西側とは対照的に、移民もたくさん住んでいる下層階級のエリア。


1980年代の後半から、都市開発によって建てられた “Canary Wharf” と呼ばれるエリア (高級取りのビジネスマンたちが働くビルが建ち並ぶ) 近辺の、貧乏な家庭で育ったそうです。



ゲイリーさんは、子供の頃から数学の才能が傑出していたため (おそらく天才児系!!!) 、世界的にも有名な経済大学 LSE(London School of Economics) に進学。

すると在学中に、世界に名をとどろかすシティーバンクから引き抜かれ、2008年から2014年の間、証券マンとして活躍します。


image by evgeny-klimenchenko


労働者階級の貧乏な家庭で育ったゲイリーさんは、そこで最初にもらった膨大なボーナスの額40万ポンド(彼の父親が1年かけて稼ぐ額のほぼ20倍!)に度肝を抜かれて以来、いろいろと悩み続けます。

結果、裕福層にお金が集まり、貧民層がいくら稼いでも豊かになれないシステムが急激に広がっていく現代社会、そしてそれに目を向けようともしない経済学者たちに怒りをおぼえ、証券マンの仕事をやめ、オックスフォード大学で勉強した後、現在の状況がいかに危険であるかを世間一般の人々に知ってもらうために活動を開始します



ちなみにゲイリーさんの生い立ちを知ることができるビデオは、LBC (the London Broadcasting Company) radioの、James O’Brienさんによるインタビューがオススメです。


金持ちがどんどん金持ちになる →貧乏人がどんどん貧乏になる

image by jingming-pan


まずはゲイリーさんが、パンデミックが起こった2020年にポストした下のYouTubeビデオを見てください。(英語学習者にとっては、リスニングの勉強にもなりますよ。)


いかがでしたか?


パンデミックの際には、オフィスや店を閉めなくてはならなかったので、その対策として、たくさんの国で、政府によってお金が印刷され、人々の生活の救済のためにそれらが配給されました。


しかしながら、

そのお金が最終的にどこに辿り着いたのか?


という疑問を、誰も投げかけていないという事実を、ゲイリーさんは指摘します。

政府は赤字を背負ったまま、そして救済金が配られた一般家庭や中小企業の手元にも、そのお金は残っていない… ってことは??? という話です。

ゲイリーさんは、お金が行き着く先を前もって考えずに、安易にこんな行動が政府によってなされたこと、そしてプロの経済学者たちが、この事実について何も話さないことを痛烈に批判するとともに、莫大な量のお金がこのパンミックを機に一気に裕福層の手に渡ったことが何を意味するのか?という事を私たちに切実に訴えかけています。



最後に、もう一つ…


たくさんの重要なビデオがポストされていて、この中から数をしぼるのは無理があるので、もう一つだけ「金持ちがどんどん金持ちになって、貧乏人がさらに貧乏になっていく構図」がわかりやすく説明された、次のビデオをフィーチャーしておきます。

タイトルは日本語で「資産経済」となります。


古い家を壊して、新しい家を建てる日本とイギリスではイメージが異なるかもしれませんが、仕組み的には同じことが言えると思います。

裕福層にお金が貯蓄されると、それを資産化するためにそのお金の一部は物件に投資されます。

すると、物件の値段が上がります。

(超裕福層ともなると、不労所得だけで何千万円という額が年間に入ってきます。)



一方で、中間層の人たちがリタイアする際には、今まで住んでいた家を売り払って、安いところに移り住み、売り払った時のお金で老後の生活を楽しむ傾向があります。(売りに出された物件は、裕福層によって購入されます。)


物価はどんどん上がっていくので、中間層の次の世代の子供たちは、たとえ頑張って良い職を見つけることができたとしても、家を購入する際に頭金を払うのが難しくなります。



これとは対照的に、裕福層の次世代の子供たちは、親が頭金を出してくれるので、たとえ努力した結果、高級取りの仕事に就けなかったとしても、簡単に家の購入に手を出すことができます。

これが繰り返されて、貧富の差はどんどん広がっていくわけですが、今回この速度を一気に早めたのがパンデミックの際に起こってしまった裕福層への大量の富の移動、というわけです。



ゲイリーさんは、この事実をできるだけたくさんの人に知ってもらい、貧富の差がこれ以上広がらないためにも、今こそ私たちは団結しなければならない、と訴えかけています。

まとめ

image by Tom Parsons

というわけで、

政府 ➡︎ 金欠
中産階級 ➡︎ 金欠
労働者階級 ➡︎ ホームレス続出


となってくると、国が一部の超裕福層に支配されるようになり、いずれはひと昔前の封建社会に逆戻り、という構図が浮かび上がってきます。

皆さんもゲイリーさんのYouTubeの内容に共感したのであれば、ぜひ彼のチャンネルをフォローすると同時に、たくさんの人に拡散してください。(Xのアカウントは、👉こちらから




さらにゲイリーさんによる著書 “THE TRADING GAME (A Confession)” が、今年の3月に出版されているので、興味がある方はこちらから購入できます。👇


それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


コンカズ

*この記事の英語ヴァージョンはこちらから
👉 Gary Stevenson: Former Financier Turned Advocate for Economic Equality

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