英語汁 / Eigo-jiru

いまいましい冠詞をやっつけろ!!!《英語汁 第16号》



どうも コンカズ (@konkazuk) です 。

ハァ〜 冠詞… 

冠詞って聞くだけで、タメ息が出る…

英語って覚えること他にもたくさんあるから、どうもこういうのって後回しにしてしまうというか… 

そんでもって後回しにしたまま、いつまでたっても手を出さないから、ズ〜っとあやふやなまま… っていう方、結構いらっしゃるのではないでしょうか? 

ちなみに「冠詞」ってものは日本語には存在しません。


というわけで、

今回の記事を機に、ここでスキッとさせてしまいましょう。

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まずは “the” を攻略する!

image by Fakurian-design

まずはコイツからいきます。

感覚的には、なにか有名なものにつける、というイメージがあるかもしれません。

有名だから “the” をつける、ってのはちょっと違いますが、“the” が定められたものにつけられる、というある種の ”パターン“ があるのは確かです。


だから日本では ”the” は「定冠詞」と呼ばれているわけですね。

ちなみに英語では ”the definite article” と呼ばれます。

集合体 (Union, United, Republic系)


ここ5年、10年の間にグローバル化がさらに進み、いろんな国の情報が入ってくるようになりました。

どんな場合に国家や組織などの前に “the” がつくのかっていうのを、覚えておいて損はないと思います。

基本、国名を言うときは “the” はつけません。


…が、複数の国 (countries) や、州 (states) などの集合体になっていて、王様がいてる君主国 (monarchy / たいてい “Kingdom“って言葉が入っている) 場合や、大統領や総理大臣が取り仕切っている (共和国・republic) 場合は、”the” をつけます。

(例)the United Kingdom, the United States of America, the Republic of Ireland, Republic of the Congo, the Republic of Indonesia, the United Arab Emirates,  それと、ちょっと古くなりますが… the Union of Soviet Socialist Republics, the Ottoman Empire, the Byzantine Empire, etc.




ところで、オランダ(The Netherlands)や、ガンビア (The Gambia) なんかをみると、ただの国名なのに”the”  がついてたりして、アレっ?と思うかもしれません。


そこで公式名をチェックしてみると、the Kingdom of the Netherlandsや、the Republic of Gambia, てな感じで、実は王国だったり共和国だったりします。


(う〜む、紛らわしい!…っていうか、正直な話いろいろ調べてみると、普段 “the” をつけずに呼ばれている国も、実は正式名に “Republic” って名前が入ってたりするってのが他にもあるんですよね。イタリアやったり、フランスやったり…)


とりあえずは、この辺で線を引いておいて、あとは大多数の呼び方にフォローするってことで…



複数の名前の島が集まって、まとめて ”〜諸島” とカテゴライズされている場合も “the” がつきます。

(例)  the Solomon Islands, the Bahamas, the Galapagos Islands, etc.



あとは国なんかなんかが集まって組織 (organization) を形作っている場合なんかも、その名前のに ”the” がつきます。
 

(例)  the North Atlantic Treaty Organization (NATO), the European Union, the Commonwealth, the Organization of petroleum exporting countries (OPEC), etc.



結合してるってことで、”United” とか “Union”,  って言葉が入っている場合は、“the” がくると思っていただいてオッケーです。


ただしこういう名前は、ネットなんかでみると、「通称」で書かれていたりするので、たまに “the” がついていなかったりしますが、正式には全部 “the” がつくものだ、と覚えておいてください。

唯一無二の存在


この世にたった一つしかなくて、他に代わりがないものを表す名詞の前には “the” がつきます。

(例)  the sun, the moon, the sky, the earth, the North, the West, the North Pole, the Antarctic, the world, the air, the morning, the evening, the King, the Pope,the president of 〜, the Prime Minister, the CEO, the best 〜, the most 〜, etc.




* ワンポイント *


「惑星」をいうときは、ちょっと注意が必要です

地球 (earth) と 月 (moon) は普通名詞なので、”the” をつけますが、他の惑星、火星 (Mars)、水星 (Mercury)、金星 (Venus) などは、固有名詞の扱いとなるので、人のなまえの前に定冠詞をつけないのと同様で、”the” はつきません。



「方角」に関しては、純粋に「方角」を言う場合… 例えば「南」は「北」より暑いなど (頭文字はこの場合大文字となります)には “the” をつけます。そして、その「方角へ」という感じで、前置詞の後に続く場合 (”to the east” や、”towards the south” )にも、”the” をつけます。。


王様や女王様の場合は、そのまま名詞として使う場合は、“the King” や “the Queen” と “the” をつけます。

しかしながら、名前が後に来る場合は ”Sir.” や “Lady”、 “Mr.” などと同じで、タイトル扱いになるので、”King George” や ”Queen Elizabeth” というように、”the” はつけません。

image by Hunter Harritt

水域 (a body of water)


水が「川」「湾」「運河」「運河」「海」などの形で名前がつけられている場合は、”the” をつけます。

(例)  the River Thames, the Straits of Dover, the Pacific Ocean, the Mediterranean Sea, the Suez Canal, the River Nile, the Gulf of Mexico, etc.

 砂漠、 森、山脈


特定の名前を持つこれらの前にも “the” がつけられますが、注意しなくてはいけないのは…

山脈(a group of mountains)に ”the” はつける事ができますが、例えば「富士山」や「キリマンジャロ」のような ”一つの山” には ”the” は、つけられない


ということです。

(例)  the Gobi, the Sahara, the Amazon Rainforest, the black forest, the Rocky Mountains, the Andes, etc.

「〜家 」


徳川家、藤原家、ハプスブルク家など、家族のメンバーを集合体で呼ぶ時、苗字の前に ”the” をつけます。

(例)  The Tokugawas, The Bishops, The Andersons, The Rothchilds, etc. 

⑥ 楽器の名前

(例) the piano, the flute, the guitar, the trombone, etc

⑦ 公共サービスシステム

(例) I was on the trainwhen you called me. You can get all these informations on the internet. The song was played on the radio. I’m on the bus. The police are investigating the cause of the accident. The wi-fi is available, here, etc.

⑧ 会話に一度登場したもの


はい、これが日本語でしばしば「その」と訳される場合ですね。

”the” は、

その名詞が、一度話題にあがったなどして、話し手/聞き手、または書き手/読み手が、その名詞をすでに認識している場合


に使われます。


簡単な例をあげて説明しますと…

例えば、ただ漠然と「1万円札」と言われても、日本の中で「一万円札」なんてなんてそこらじゅうに存在するんで、どの「一万円札」か特定できませんよね。

この時点では「一万円札」は数えられる不特定な名詞として取り扱うので、“a” をつけて、”a ten thousand-yen note” ということになります。


例えば友達が、

「そういやぁ、昨日オレ、ラッキーなことに一万円札ひろってさぁ…。」

“By the way, I was so lucky that I picked up a ten thousand-yen note yesterday!” 

なんて話を切り出す時は、この時点で、まだ相手がどの一万円札について話しているのか知らないので、友達は「一万円札」をあなたにとって不特定な名詞として取り扱って、”a” を使って表現します。

次に、話を聞き終えた時点であなたは、それを「昨日友達が拾った一万円札」として認識しています。

となると、あなたは、

「うわっ、マジで? それでその一万円札でどないしてん?」

“Wow, seriously? And what did you do with the ten thousand-yen note?”

となって、ここであなたは ”the” をつけてその「一万円札」を特定して話すわけです。


* 発音について *


はい、最後はこの “the” の発音に関してです。


のちに説明する “a” と “an” については、ちゃんと意識して使い分けができてている方々も結構いらっしゃると思うのですが、この “the” に関しては、記憶から抜け落ちてしまっている方もいるのではないでしょうか?

基本、”the” は、[ðə] 「」 と発音されるわけですが、母音 (a,  i,  u,  e,  o) からはじまる単語の前では、[ði]」 と発音されます。(ただし、正確な発音は、カタカナの「ザ」、「ジ」とも異なります。)

ということで、よく耳にする「ジ・エンド」”the end” なんかは典型的な例となりますね。


a” と “an”

image by Ben Abo


はい、次は “a / an”。「不定冠詞」と呼ばれるやつですね。

英語では ”the indefinite article” と呼ばれ、数えられる名詞の単数形の前につけられます。

どんな時に使われる?

定義としては、例えば、もの「名詞」を初めて話題にあげるとき。



例えば、

「そういえば今日、駅のまえで黄色い帽子をかぶった女の人が立っていたんだけど、なんか様子がおかしかったんよ。」

“Umm… today, there was a lady who was wearing a yellow hat in front of the station, and she was acting strangely somehow.“

と、まぁこんな感じで、要するにさっきの “the” のセクションのところの⑧で説明した、まずはじめに人が不特定な何かを話す状況と同じですね。

そんでもって次に話す人は、今この時点で「話の中に出てきたその女の人」と特定できるので、

「へぇ〜、そんでその女の人つぎにどうなったん?」

“OK, and what happened to the lady next?”

ってな感じで、一度認識したので “the” をつけるわけです。

可算名詞と不可算名詞

“a / an” をつけるのは数えられる名詞 (可算名詞) の前ってことで、基本的にあなたが頭の中で数えられると思うものの前には、全てつけることができます。

(例)  a person,  a girl,  a dog,  a pen,  a book,  a table,  a pair of scissors, a star, a banana, a key,  a hair,  a class,  a family,  a house, etc.



逆に数えられない名詞 (不可算名詞) は、「液体」とか「粉」のような物質、そして主に抽象的なもの、「健康」や「忍耐」などがカテゴライズされます。(基本的に、不可算名詞には複数形は存在しません。)

(例)  water,  oil,  jam,  salt,  gold,  cake,  perfume,  cash,  cotton,  butter,  danger,  happiness,  nature,  time,  tennis,  confidence, etc.



*ただし、数えられない名詞も、何かの入れ物に入っていたり、カットされていたりしたら、可算名詞にすることができます。

(例)  a glass of water,   a jar of jam/honey,   a bottle of perfume,   a slice of toast,    a piece of cake,   a cup of tea,   a pinch of salt, etc. 

image by Bernard Hermant

“an” が使われる場合

“an” (普段は [ən] 、強調するときは [æn] と発音されます) が使われる時は、下に記した例のように、基本的には、次に続く名詞 (または名詞の前にくる形容詞) のアタマの文字が、母音 (vowel) =  a,  i,  u,  e,  o  から始まっている場合。

(例)  an apple, an egg, an apartment, an orange, an example, an umbrella, an organised plan, an empty box, etc.



しかしながら、母音 (a,  i,  u,  e,  o) から始まっていないのに、”an” をつける場合も、時折見かけます。

(例) an hour,   an honest man,   an MBA (Master of Business Administration),   an SOS signal, etc.



これらの名詞や形容詞の発音記号 (phonetic symbol) をチェックしてみると…

hour  [aʊə],     honest  [ɒnɪst],    MBA  [em biː ˈeɪ],    SOS  [es əʊ ˈes]

すべて母音からはじまっていることがわかります。

つまり、

次にくる名詞のアタマのスペリングではなくて、発音によって決められる


ってことなんですね。


ややこしいんですが、これとは逆に母音のスペリングではじまる名詞で、発音はじつは母音ではない!、って名詞もあります。

(例)  usability [juːzəˈbɪlɪti],  university [juːnɪˈvɜːsətiː], unicorn [juːnɪkɔːn], universe [juːnɪˌvɜːs],   utility [juːˈtɪl.ɪ.ti],  ukulele[juː.kə.ˈleɪ.li],   uniform [juːnɪfɔːm],   utopia [juˈtəʊpɪə],   UFO [ju ɛf ˈəʊ],   eureka [juˈɹikə],   euro [jʊəɹəʊ],   esclop [slɒp], etc.



まだまだいくつかありますが、たいていの場合は “u” からはじまります。

これらの前にはたとえスペリングが母音で始まっていても ”an” ではなく、“a” をつけます。

無冠詞

image by Armed Khoury


前にも触れましたが、”water” や “oil” などの数えられない名詞や “religion”, “education” などの抽象名詞の前には、それらを特定して話す時以外には、冠詞はつきません。

そしての数えられる名詞の複数形 “books” や “apples” などの前にも、冠詞はつきません。
可算名詞の複数形の前には、”a few”, “many”, “some”, “several” など、その名詞の量を表す単語が、冠詞にかわって置かれます。

他にも以下に記すように、冠詞をつけない例がいくつかありますが…

個人的にはここをしっかり押さえておくと、かなり混乱することが減るのではないかと思います。

① 一般的 (general) なことを話す時

(例) Smoking is bad for you.   People are strange.   Sushi is Japanese food.

② 国、州、市 などの名前

(例) Jamaica, Romania, Manchester, California, Camden Town, Tokyo, Downs road, Regent street, etc.

③ スポーツ や ゲーム

(例) volleyball, skiing, table tennis, monopoly, chess, etc.

④ 食事

(例) breakfast, lunch, dinner, supper

⑤ 湖、個々の山、島、大陸

(例) Lake Tanganyika, Caspian Sea, Mt Fuji, Asia, Africa, etc.

⑥ 教科科目 (Academic subjects)

(例) Physics, Science, Law, Mathematics, etc.

⑦ 言語

(例) Chinese, English, Russian, Swahili, etc.

⑧ 季節、月、曜日、祭日、時間

(例) Summer, February, Thursday, St. Andrew’s day, 6 o’clock, etc.




というわけで、押さえておく冠詞のルールはこんな感じですかね。

完璧に聞こえる発音で、英語をペラペラ話せる人でも、ネイティブの人たちからすれば、この「冠詞」の使い方で、ネイティヴ生まれかどうかわかってしまうそうです。

使い慣れるのにある程度の時間を要すると思いますが、ガンバって少しずつ攻略していきましょう。


それではまた、


コンカズ

*この記事の英語バージョンは 👉 こちらから

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