Life in the UK

【イギリスの教育制度】の特徴を簡単にまとめてみました。



こんにちは、コンカズ (@konkazuk) です。

今回の記事では、頭の中で ”なんとな〜く” は分かってはいるけど、まぁいつかしっかり頭に入れよう…と思ったまま、ここまで放っておいてしまった「イギリスの教育制度」の理解を深めようと、ちょっとここらで ”パリッ”まとめていきます。

とはいっても、ある程度のボリュームになりますが… w


それでは、いってみましょう!

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義務教育を含むイギリス(イングランド)での子供たちが歩んでいく全体の流れ


まず初めに、イギリスでは産業革命後に制定された法律に基づいて、子供は歩くことができるようになった時点で、働きに出されます。


image by Oleg Sergeichik


ウソです。(しょ〜もないっすね。ゴメンなさい。🙏)

Nursery” (ナーサリー)

という事で、一般的に子供が産まれた後、まず初めに通うことになるのが、

Nursery” (ナーサリー)

になります。

日本でいう「保育園」にあたるわけですが、必須ではありません。


基本的には、子供が 2〜3歳、3〜4歳の ”2年間” をここで過ごすことになりますが、子供がまだ数ヶ月、または1歳からでも受け付けているナーサリーも多々あります。

image by bbc creative

しかしながら、国(イングランド)からの補助金 “subsidy” [sʌbsədi](週30時間・年38週間分)が支給されるのは、子供が3歳〜4歳の間だけとなります。👉 詳しくはこちらから


ちなみに「週30時間タダのチャイルドケア」が投入されたのは、2017年の9月からで、僕の子供たちがナーサリーに通っている時は、まだ週15時間でした!

ウチの下の子を1歳になる前から預けていた当時を振り返ってみると、低所得 + イレギュラーインカムのカップルにはかなりキツかった記憶があります。

評判の良いナーサリーだと、入れてもらえるまでに ”1年以上” も待たされるところもあるので、早め(妊娠が分かった時点でとも言われている!!!) に出向いて予約を入れておく(ウェイティングリストにのせてもらう) ことをオススメします。


どのナーサリーが良いかってのは、

Ofsted (Office for Standards in Education) オフステッド

(イギリスの教育監査局)のサイトにいって、自分が住んでるエリアのポストコードを入れると、近所のナーサリーのリストとランキングが貼られているので、多少参考にはなるとは思います。

が、やっぱり”ママ友グループとの交流から入ってくるナマの情報がベスト”やと思うんで、日頃からネットワーキングに励んでおきましょう。

”Reception” (レセプション)

はい。そして次にナーサリーの後に子供が通うことになるのが、大抵の小学校が設けている


Reception” (レセプション)

と呼ばれる学年。

つまり、子供が義務教育の始まりである YEAR 1 (日本でいう小学校1年生) になる前の期間。


5歳の誕生日をむかえる前までの準備期間の1年で、9月の時点で4歳の子供たちが対象になります

実質的には今後通うことになる学校への入学みたいなもんなんで、子供にとってはドキドキやと思います。

“Primary school” (プライマリースクール)

そしてこの後、子供が9月の時点で満5歳になったところで、日本でいう「小学校」にあたる、


Primary school” (プライマリースクール)


に上がります。

そして、ここからが「義務教育」の始まりです。


image by CDC


ちなみに義務教育を、学校に行かずに、ホームスクーリング、(必ずしもナショナル・カリキュラムに基づいて行わなければならないというわけではない)という手段もあり、実際にこの手段をとっている親もいます。



イギリスの義務教育(Compulsory education)の期間ですが、もともとはイギリスのすべての地域 (イングランド、ウェールズ、北アイルランド、スコットランド) で5〜16歳までの11年間でしたが、

2015年から、イングランドだけ5〜18歳までの13年間に引き伸ばされています。


理由はと言うと、働くということに目を向けず、大人になっても親の元から離れられずに、コンピューターの前でブクブクと太っていく ”ニート/ NEET” (Not in Employment, Education, or Training)” と呼ばれる若者たちの増加を防ぐためと言われています。



さて、この13年間の義務教育の中身はというと…

5歳〜11歳プライマリースクール (初等教育)Year 1 ~ Year 6 (6年間
11歳〜16歳セカンダリースクール (中等教育)Year 7 ~ Year 11 (5年間
16歳〜18歳シックススフォーム (継続教育)Year 12 & Year 13 (2年間


大学進学を希望する場合は、シックススフォームと呼ばれる学習過程 (大抵は、在籍しているセカンダリースクールに付属しているが、ない場合はシックスス・フォーム カレッジにて学習)に進む。

あるいは、農業、芸術、デザインなど、専門的な分野に進みたい場合は、継続教育カレッジ (Further Education College)、または、高等専門学校(Tertiary College) に進んで専門性の高い職業資格を得るために勉強する。

大学進学のための一般科目の勉強が可能なカレッジもあります。ちなみに、ここでのカレッジは、日本で言う大学ではなく、どちらかといえば大学に進むための高校のような機関を言います。


そしてさらに、見習い、弟子という形で教育を受けながら職につく。


という選択肢があります。

image by F1Digitals


ちなみによくKey Stage (キーステージ)という言葉を耳にすると思いますが、この言葉はイギリスの教育課程の基準、National Curriculum (ナショナル カリキュラム)によって分けられる義務教育の中の4つの段階を表すのに使われます。

Key Stage 15歳〜7歳 [ Year 1 ~ Year 2 ]
Key Stage 27歳〜11歳 [ Year 3 ~ Year 6 ]
Key Stage 311歳〜14歳 [ Year 7 ~ Year 9 ]
Key Stage 414歳〜16歳 [ Year 10 ~ Year 11 ]

段階ごとに科目とその内容が振り分けられ、Key Stage 1の終わり (Year 2 / 7歳)と、 Key Stage 2 の終わり(Year 6 / 11歳)には、SATs (Standard Assessment Tests) サッツ(全国学力テスト)を受けることになります。

これらのテストは、どちらかというと学校全体の学力を知るのが目的なんで、そこまで気にしなくて大丈夫です。


そして、Key Stage 4 (Year 11 / 16歳) では

GCSE(General Certificate of Secondary Education ・全国統一学力試験)

を受けることになりますが、

このテストの結果が、進学・就職の際の合否の判断材料のひとつとなってくる



ので、かなり重要なテストということになります。

Secondary school (セカンダリースクール)


現在、ウチの息子は “Year 6” なんですが、去年の10月のアタマのあたりですかね…

学校から

セカンダリースクールへのトランスファーの申請書の書き込みを済ませて月末までには提出するようにっ!

と、テキストメッセージが届いたのは…

ヤベッ!ってなりましたね。w

新学期もまだ始まったばかりなのにもうかいっ!


近所のセカンダリーの学校のリサーチがあわてて行われます。

image by Glenn Carstens

カミさんは、カウンシルのウェブサイトやママ友から、各学校の評価の情報収集、僕は仕事先の子供がいる同僚たちをあたって質問攻めにしたのですが…

シックススフォーム」やら「カトリックの学校」がどうこうやら、「キャッチメント」が何やら… 会話の中身はその当時、僕が持っていなかった知識の連発です。


学校にも色々タイプがあって、

  • Public School
  • Independent School
  • Private School
  • Grammar School
  • Voluntary-aided School…



そしてセカンダリースクールの大半を占める “Comprehensive School”, とあるみたいだけど、庶民レヴェルのウチらには…

Comprehensive School
(俗に言われる “State school” ステイトスクール / 入学試験無し

以外の選択肢なし!!! ということで、このへんは悩む必要なしと…。

image by Wander Fleur

ところが、普段なら各学校でオープン・デーなどが開催されて、校内を見学できたりするはずなのですが、コロナ禍ということで、ほとんどがオンライン見学と映像による学校のポリシー紹介。

オープンしているところだけ見に行って、あとは想像?

とりあえず集めた情報の中から、第1希望から第6希望まで記入して締め切り前に提出。 

Phew! 💦

時は流れ、3月は今だロックダウンの最中…

そんな中、多少はドキドキしながら待っていた息子のセカンダリースクールの結果が届きました

幸運なことに、第一希望合格です。

残念なのは、息子は彼の親友と離ればなれの学校になってしまったことですかね… ナーサリーからずっと一緒だったんで、ちょっと悲しいです。

と、いう結果になりましたが、後になって分かったことですが、僕らかなりラッキーだったようです。

image by meineresterampe

実は、自分らは息子のクラスメイトたちが住んでいるエリアとは少し離れたところに住んでいるのですが、たまたま僕らの住んでいるところが、第一希望のセカンダリースクール寄りで、キャッチメントエリア内でもさらに学校への距離が近かったこと。

ステイトスクールは応募者のうち、学校から自宅までの距離が近い順に入学を許可する傾向にあるので、イギリスでは子供の将来を考えて、親が子供にいかせたい学校のキャッチメントエリア内に時を見計らって引っ越すとのことです。



そして、これも後で分かったことなんだけど、イーストロンドン都市開発の恩恵なのか、僕らの住んでいるエリアには数年前と比べ比較的質の高いセカンダリーの学校が集まっていたという事実。

image by PublicDomainPictures


というわけで、GCSEのテストがあるなど、セカンダリースクールは子供にとって将来の方向性が決まってくる重要なところです。

ウチみたいにギリギリになって焦らなくていいように、”お子さんがいるみなさんには、早くからキャッチメントエリアなどのリサーチをすることをオススメしときます。”


p.s. 息子の親友のところに後ほど同じ学校から奇跡的にオファーが入り、晴れてふたりとも同じ学校に入ることができました。

GCSE & SIXTH FORM (シックスス・フォーム)

image by CDC

去年の春ぐらいだったか、カミさんの作品をギャラリーに届けた後、帰りのタクシーの中のラジオで、GCSEのテストに向けて必死になって勉強してきたにもかかわらず、コロナウィルスの影響でテストが中止となってしまった学生たちがインタヴューを受けていて、すごくやりきれない気持ちを語っていたのを思い出しました。

今の状態だ息子がそれぐらいの年になった時に、どんな形でテストが行われているのかは謎ですが、とりあえず今わかっていることをここにあげておきます。

GCSE (General Certificate of Secondary Education)

セカンダリースクールに入ってYear 10(14歳)になると、2年後に控えたGCSEに向けてのコースワークと呼ばれる学習のカリキュラムに沿った勉強が始まります。 

教科は選択性で、学校によって多少の違いがあるようですが、基本的には次の3つが必須科目

  • Mathematics (数学)
  • English language/literature (英語)
  • Science (理科) [生物/化学/物理]



そして次に選択科目ですが、カテゴリー別に分類されていて、その中から一つずつ選ぶことになります。

Modern foreign languages (現代外国語) のカテゴリーには、日本語も含まれていますよ!



その他、歴史、ビジネススタディー、デザインと技術、アート、人文科学、音楽、宗教学などから必須科目と合わせて計10科目ほど選ぶことになるのですが…

13歳という年齢で、大学での専攻科目を見据えて、それに必要な科目の選択を迫られるってのは、正直ちょっとキツイのでは..

image by Compare-Fibre

と初めは思ったけど、物事が移り変わるスピードがメチャメチャ早い今の時代、ひょっとしたらこれは良いことなのかもしれませんね。


(僕なんてまだこの歳ぐらいの時、川で魚捕まえたり、夜遅くまで外でサッカーしていたような… w)

成績は、最終試験のExamination Paperと、Course Workと呼ばれる授業中に行われるプロジェクトの出来によって評価されますが、近年 Course Work の比重が減りつつあり、”書くことによるスキル”が試される論文形式の解答が重要視されてきているとのことです。

結果は近年までA*,A,B,C,D,E,F,Gの順にグレード付けされていましたが、2017年より上から9,8,7,6,5,4,3,2,1の順の評価付けに変わり、以前のA*とAが 現在の9から7にあたり、BとCが6から4にあたります。

う〜む、ややこしい。

シックススフォームに進むのであれば、6以上が最低5科目あればセーフゾーン???


さらにいえば9または8を何個ゲットしたかが、大学を選択するのに響いてきます。

あーコワいコワい…

SIXTH FORM


さて、セカンダリースクールを卒業した後、大学進学を希望する生徒は、(大抵はセカンダリースクールに附属されている)、2年間の教育課程

シックスス・フォーム

に進むことになります。

皆さん1年目をLower Sixth (L6)、2年目をUpper Sixth (U6)と呼んでるみたいです。


Key Stage 5 とも呼ばれているみたいですね。

シックススフォーム [Year 12 & Year 13] ってなんでそんな名前なんやろって思ってたら、セカンダリースクールの頭のYear7から数えて6番目ってことやん! って今気がついた!w

image by Aaron Burden

もともとは、最初の年 (Year 12) の終わりに

AS(Advanced Subsidiary Level)

という試験を受け、その後の2年目 (Year 13)に

A level (Advanced Level General Certificate of Education)

の試験を受けていたようですが、2018年に

イギリスの教育省が、AS試験の結果を完全にA Level のものと切り離したものすると発表して以来、AS試験は必須ではなくなり、現在のところ2年目の最終試験であるA levelを受けるだけという形になっているようです。


選択する科目は将来的に進学したい大学のコースに合わせて選ぶわけですが、GCSEの結果と照らし合わせながら、本人が一番楽しめる科目を選ぶのがベスト

大抵の生徒は、初めの年で4教科を選択して、次の年で3教科に的を絞って (1教科をドロップして) 試験にのぞむようです。

成績は、A* A  B C D E で評価され、希望大学に必要な成績が取れていた場合に入学が許可されます。

日本のように個別の入学試験はありません。



大学の学費は、現在のところ 年間9,000ポンド (約135万円 / 現在約£1=150円) と言われています。

大抵の学生は、学費と生活費のローンを国から借りて、卒業してある一定の年収に達したら、返済していかなければなりません。

お金を稼ぐために大学を出るのに、大学を出たら借金地獄ってどないなってんねん…?!!

image by Michaela Filipcikova

ということで、みなさん最後まで読んでいただきありがとうございました。

今回の記事はここまでとなります。


僕の書いたまとめ記事が、少しでも皆さんのお役に立てたのなら嬉しいです。

コンカズ

*この記事の英語ヴァージョンは 👉 こちらから

*あわせて読みたい 👉 【イギリスの政治制度】をわかりやすく解説

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