どうも、コンカズ (@konkazuk) と申します。
今回、自分と自分の家族に起こった “Eviction notice” (立ち退き通告/これに関する記事は👉こちらから) を機に、国からの給付金を受け取るために “Universal Credit“「ユニバーサルクレジット」に申請する事になったので、それについて自分が経験した手続きなどを、この記事でまとめておこうと思います。
申請するにあたって思ったのは、「なんでもっと早くこれをやっていなかったんだ?」って事。
「ユニバーサルクレジット」の存在自体は以前から知っていたのですが、毎日の生活の忙しさに埋もれて、そこまで深くリサーチしたことがなかったというのが原因です。
というわけで、さっそく見ていきましょう。
ユニバーサルクレジットを受け取ることができる対象は?
物価の恐ろしい上昇率に対して、給料の賃上げが全然追いついていない現在のイギリスにおいて、レント払いの低所得者には、あいかわらず厳しい状況が続いております。
そんなわけで、もしあなたが18歳以上で、この国に住むための在留資格 (immigration status) がしっかりしていて、収入が生活費に追いついていない、またはギリギリの生活をしているというのであれば、今すぐ「ユニバーサルクレジット」に申し込むことをオススメします。
2013年から導入されたユニバーサルクレジットは基本的に、色々な種類で存在する政府からの生活保護手当をシンプルに1つにまとめたもの(ただしChild Benefit は除く) で、下記の手当てにとって代わったものとなります。
🔹Housing Benefit (住宅手当)
低所得者や収入に制約のある世帯に対し、住宅費用の一部を補助するために支給される。
🔹Child Tax Credit (子ども税控除)
子供を持つ親に支給される。
🔹Working Tax Credit (労働者税控除)
就労している低所得者や、働きながら子供を養育している家庭を支援する目的で支給。
🔹Income-related Employment and Support Allowance (雇用・生活支援手当)
労働能力に制約のある個人や障害者を支援するために支給される。
🔹Income-based Jobseeker’s Allowance (求職者手当)
仕事を探している間に生計を立てるための給付金。失業者や低所得者が基本的な生活費を賄うために支給される。
🔹Income Support (所得手当)
低所得者や特定の状況下にある個人や家庭に対して、基本的な生活費を支給。
よって、これらのいずれかをあなたがすでに受け取っているのであれば、何もする必要はありません。
逆に、ユニバーサルクレジットを申請した場合、これらのいずれかをあなたがすでに受け取っているのであれば、その支給はストップされます。
ユニバーサルクレジットを申請するには、イギリス政府の公式サイトに行けば、手続きができます。
*あなたの貯金、または投資額が16,000ポンドを上回る場合は、申請することはできません。
手続きの流れ
さて、政府の公式サイトを訪れたら、まずは自分のアカウントを作ります。
ここでは、あなたのメールアドレスと電話番号が必要です。
続いてユーザーネームとパスワード、パスワードを忘れてしまった際のセキュリティー上の質問を2つセットします。(セットし終えたら、これらを大切に保存しておきましょう。)
カップルで申請する場合は、どちらかが先にアカウントを作り、その際に jointというカタチでクレームするように選ぶと、コードが送られてきます。続いて相方が、そのコードを入力してアカウントを作れば、2人のアカウントがリンクされます。
アカウントを作ったら、次は “To-do list” のセクションで質問に答えていきます。
申請するにあたって、向こう側はあなたの生活状況を知る必要があるため、たくさんの情報を提供することが求められます。
伝えなくてはならない主な情報は…
⚫ ID(Passport)、ビザなどの在留証明
⚫ 現在の住所
⚫ 現住所の住人(家族の名前、性別など)
⚫ 健康状態
⚫ accommodationのタイプ(private, council, etc.)
⚫ 毎月のrent、またはmortgageの支払額
⚫ rentの契約ドキュメント
⚫ 大家さんの詳細
⚫ 銀行口座の詳細
⚫ National Insurance Number
⚫ 月にどれぐらい稼いでいるか(Payslipなど)
⚫ 貯金、その他の収入
⚫ 子供の養育費
⚫ チャイルドベネフィットの参照番号
などが挙げられます。
普段から、重要な書類をしっかり管理していないと、ここで部屋中の引き出しをひっくり返さなくてはならない様なイタイ目に遭います。w
僕らが、個人的に悩んだセクションは、”childcare cost” と呼ばれる子供の養育費ですね。
放課後の子供のアクテビティにかかる費用となりますが、基本的には学校が提供しているクラブ活動に支払っているコストが対象となります。
という事で、その他プライベートで水泳やダンスを習ってる場合は対象となりません。
あと、借金のことについては聞かれませんので、脳ミソが足らない僕らのように、カードローンと貯金を同時に存在させているのであれば、サッサと貯金から借金を支払っておくことをオススメします。w
なお、1つのセクションを終わらせて、「そういえば、あの部分を間違えて記入してもうたかも?」となってもすぐに編集はできません。編集は、全部のセクションを終わらせてからとなります。
金額の部分を誤って記入したせいで、ユニバーサルクレジットを多くもらっていた場合は、後で返さないといけなくなるので、注意しましょう。
情報の入力が終わると、その後 “declaration” として、記入内容に偽りがないことに同意するページが送られてくるので、全ての “yes” に ✔ して提出すれば、このセクションはおしまいです。
面接 (インタビュー)
はい。次のステップとして、”work coach” と呼ばれる担当者との面接が待っています。
あなたのアカウントの “To-do list” に、面接の日時のお知らせと、それまでにこなさなくてはいけないタスクの内容が送られてきます。
この面接は、あなたが住んでいる地元の “Job Centre Plus” で行われるのですが、日時に関しては、向こうが勝手に指定してきます。
この面接は、絶対にすっぽかしてはいけません!
もし都合がつかない場合は、”To-do list” の右側のボタン、”Journal” をクリックして、緑のボタン “Add a journal entry” を押したのち、”a message for my work coach” をセレクトして、前もって連絡をします。
この面接でもIDチェックが行われるので、ちゃんと送られてきたメッセージを読んで、必要書類をそろえておきましょう。
申請する人の状況により多少異なってきますが、主に必要になってくるのは次のようなものとなります。
⚫ パスポート、または運転免許証 (身分証明)
⚫ 銀行や水道、電気会社から受け取ったあなたの名前と住所が入っている手紙 (住所の確認)
⚫ NIカード、または NI numberが記入された政府からの手紙 (National Insuranceナンバーの確認)
⚫ 銀行からのステイトメント、または銀行のカード (銀行口座の確認)
当日の面接は、オンラインであなたが提出した情報と、その日に持ち込んだ書類を照らし合わせ、情報が正しいかを確認するのが主な目的です。
他にも、オンラインの手続きで間違っていた事があれば、直す方法を教えてくれますし、疑問が残った部分は、ここで質問すれば全て教えてくれます。
もし書類が不足していた場合は、面接から1ヶ月以内に、再び “Job Centre Plus” 出向いて必要書類を届ける必要があります。
必要書類の届け出の遅れは、ユニバーサルクレジットからの最初の入金が遅れることを意味するので、ここは頑張って迅速に解決しましょう。
面接の後は…
全て上手くいくと、Habitual Residence Test (個人や家族がイギリスに通常居住しているかどうかを確認するためのもの) をパスしたので、あなたはユニバーサルクレジットからの給付金を受け取る権利がありますよ、という手紙が DWP (Department for Work and Pensions) から届きます。
そして、申請をしてから5週間以内に、給付金があなたの銀行口座に入金されます。
僕の場合は、会社に雇われていて毎月の収入がほぼ一定しているため、仕事を変えるなどの状況の変化がない限り、書類を提出してしまえばそれでおしまいです。
ところが、毎月の収入が不規則である個人事業主の場合は、ユニバーサルクレジット側が給付金の額を測定できるように、その月の経営状況を伝えなくてはなりません。
自営業のうちのカミさんの場合は、前の月の22日から給付金を受け取る月の21日までの、1ヶ月分のビジネスの収入と支出の記録を毎月21日にユニバーサルクレジットに申告することになっています。
この申告を忘れると、その月の分の給付がもらえませんので絶対に忘れないようにしてください。
なお、最初の給付金がもらえるまで生活費が足らないという場合は、前払い “advance payment” を申請することができます。(あなたのオンラインアカウントから申請できます。)
ただし、前払いの支給はローンの形となるので、次からの支給額から引かれることになります。
いくら支給される?
最後に、気になるユニバーサルクレジットからの支給額ですが、給付金は基本的に “standard allowance” と “extra amounts” の2つの要素によって構成されています。
🔹Standard allowance (2023年4月以降)
カテゴリー | 月に受け取ることのできる給付金の率 |
単身 / 25歳未満 | £292.11 |
単身 / 25歳以上 | £368.74 |
カップル / 2人とも25歳未満 | £458.51 |
カップル / 2人のうちのどちらかが25歳以上 | £578.82 |
🔹Extra amounts (2023年4月以降)
カテゴリー | 月に受け取ることのできる給付金の率 |
子供部門 | 最初の2人の子供に、それぞれ£269.58が支給される。子供が2017年の4月6日よりも前に生まれている、または障害を持っている場合は、更なる金額が支給される可能性アリ。 |
介護部門 | 週に少なくとも深刻な身体の障害を持つ人を35時間、無給で介護している場合、£185.86が支給されます。 |
身体の障害部門 | 仕事、または仕事に関連する活動をするためのあなたの能力に制約があるとDWPが認めた場合、£390.06が支給されます。 |
放課後児童クラブ部門 | 1人の児童に対して最高額£646.35、そして2人以上からは最高額£1,108.04が支給される。 |
住宅部門 | 支給額は、世帯に住む人数、また住んでいる場所によりけりです。家賃全額を支払える金額が支給されるとは限りません。 |
*あなたが普通に働いている、またはその他の収入源がある場合、最高額がもらえるということはまずありません。
支給額は、その人の状況によってかなり変わってくるので、さらに詳しく知りたい方には、Shelterのウェブサイトがオススメです。
というわけで、今回の記事はユニバーサルクレジットの手続きに関する内容でした。
それではまた。
コンカズ
*この記事の英語ヴァージョンはこちらから
👉 How to Get Universal Credit: A Step-by-Step Guide