climate change

気候変動対策とは?「緩和」と「適応」の違いをわかりやすく解説


どうも、コンカズ (@konkazuk) と申します。



気候変動への対応について書かれた記事を読んでいると、よく見かけるのが “Mitigation” と “Adaptation” という2つの言葉 。



日本語にすると、Mitigationは「緩和」、そしてAdaptationは「適応」という意味になります。



では、気候変動対策において、この2つは具体的に何をすることなのでしょうか?


そして、なぜ気候変動対策では、この2つがセットで語られるのでしょうか?




今回は、気候変動対策の基本ともいえる Mitigation と Adaptation が、それぞれ何を意味するのか、そして具体的にどのようなを見ていきます。


Mitigation と Adaptation、どう違う?


まず、 Mitigation「緩和」ですが、簡単にいうと…

「気候変動そのものを小さくするための取り組み」


ということになります。


具体的な取り組みは、人間の活動によって排出される温室効果ガスを減らすこと。



たとえば、化石燃料を使う発電所や農場などから排出される温室効果ガスを削減しながら、再生可能エネルギーへの転換や省エネルギーを進める取り組みがあります。


同様に、森林や海洋、土壌などが持つCO₂を吸収する力を守り、大気中のCO₂を減らすことも、Mitigationの重要な取り組みの一つです。


一方で、パリ協定では、各国が温室効果ガスの削減目標や具体的な取り組みを「NDC(Nationally Determined Contributions:国が決定する貢献)」として定め、提出することになっています。


NDCは5年ごとに見直され、各国には、より高い目標を掲げて温室効果ガスの削減に取り組むことが求められています。(昨年のCOP30における各国のNDCの提出状況は、かなり厳しいものでしたが……)


一方、Adaptation「適応」は、

「すでに起きている、あるいはこれから起こる気候変動の影響に備えるための取り組み」


ということになります。




具体的な取り組みは、気候変動によって起こるさまざまな影響に備え、被害を減らすこと。

たとえば、洪水が起きたときの被害を減らすために堤防や排水設備をつくったり、暑さをやわらげるために都市に緑地を増やしたりします。


また、干ばつや高温に強い農作物を導入することもAdaptationの一つです。



つまり、

Mitigation → 気候変動の「原因」への対応
Adaptation → 気候変動の「影響」への対応


と考えると分かりやすいと思います。



一つの対策が「両方」になる?

image by Dawid Zawila

前のセクションでは、MitigationとAdaptationの違いを見てきましたが、実は一つの対策が、両方の役割を果たすこともあります。



たとえば、コンクリートのビルや歩道に埋め尽くされた街に、木を植えて緑を増やすとします。


すると、木陰ができて周囲の気温も下がります。

これは、ヒートアイランド現象や猛暑への対策になるので、Adaptationにあたるわけですが、一方で、植物はCO₂を吸収するので、Mitigationにもつながります。




公共交通機関の充実も、両方の効果が期待できる取り組みの一つです。


たとえば、バスや電車の本数を増やしたり、路線を広げたりすれば、車がなくても移動しやすくなります。これによって車の利用が減少すれば、温室効果ガスの排出削減につながります。これはMitigationです。



さらに、道路や線路の排水設備を強化して洪水による被害を減らしたり、駅やバス停に日陰を増やして猛暑のなかでも利用しやすくしたりすることもできます。こうした対策によって、極端な気象が起きても公共交通機関を利用しやすい環境を整えることは、Adaptationにもつながります。

このような感じで、一つの対策が、「温室効果ガスの排出を減らす」というMitigationの役割と、「気候変動の影響に備える」というAdaptationの役割を、同時に果たすことがあります。



つまり、MitigationとAdaptationを別々に考えるだけでなく、どう組み合わせれば、より大きな効果を生み出せるのかを考えることも重要になってくるわけです。


2つを同時に進めればいい?

image by Tuong Chopper

ただし、AdaptationとMitigationを同時に進めれば、それですべて解決するというわけではありません。



なぜなら、この2つの対策が、いつも同じ方向を向いているとは限らないからです。



たとえば、Adaptationの一環として、エアコンの導入を大量に増加させれば猛暑対策になるわけですが、電力が化石燃料に依存しているのであれば、温室効果ガスの排出が増え、Mitigationの面では逆効果になってしまいます。

また、再生可能エネルギーは温室効果ガスの排出削減に役立つ一方で、大規模な発電設備の建築によって野生動物の棲家が破壊されたり、太陽パネルや電気を貯めるバッテリーなどに必要な鉱物を発掘することによって、水資源や地元住民の生活に影響が生じたりする場合もあります。


そして、さらに気候変動が進めば、これまで有効だった対策が通用しなくなる可能性だってあります。

たとえば、これまでの気温を前提に設計された建物やインフラは、今後さらに気温が上がるとなれば、十分に対応できなくなる可能性があります。ということは、状況の変化に合わせて、今まで大丈夫だった設計や対策を見直しつつ、調整していかなくてはなりません。



9月の上旬に発表されたUNEPの中でも、気温の上昇や気候変動の影響が深刻化するなる中で、Adaptationは一度計画して終わりにするのではなく、状況に応じて繰り返し見直していく必要があると指摘されています。

気候変動への対応には、今起きている問題に対処するだけでなく、これから起こる変化を見据えて、社会の仕組みそのものを柔軟に変えていく視点も必要なのです。



それではまた。

コンカズ

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