どうも コンカズ (@konkazuk) です 。
今回の記事では「分詞構文」“Participle Clause” を見ていきます。
文法に曖昧な部分があると、スピーキングも自信を持って行うことができませんよね。この分詞構文が自分の「曖昧なエリア」の内に含まれている人は結構いるのではないのでしょうか?
自信を持ってスピーキングができるようになるためにも、今回のこの記事を読んで「曖昧なエリア」をまた少し縮小していきましょう。
そもそも分詞構文って何なん?
「分詞構文」は英語で、”Participle Clause” と呼ばれます。
「分詞構文」が何かを簡単に言ってしまうと、
「分詞」が「動詞と接続詞の両方の役割」を受け持っている構文
ということになります。
そもそも「分詞」って何?っていう方には、簡潔に言えば
”-ing”で終わる「現在分詞」
と
“-ed” (例外も多々アリ) で終わる「過去分詞」
の2種類のカタチになります。
(詳しくは《英語汁第22号》で解説しているので、興味のある方はどうぞ。)
「分詞構文」の例をあげると…
Hearing the rumbling sound of thunder, she hurried to get home.
「雷がゴロゴロ鳴るのを聞くと、彼女は家に急いだ。」
この文章での分詞構文は、太文字になっている
“Hearing the rumbling sound of thunder”
の部分で、アタマの “Hearing”が「分詞」(先ほど述べた2種類あるうちの1つの「現在分詞」)ってことになります。
アレっ? いま気が付いたんだけど、この文章には主語がなくない?
そうなんです。分詞構文とは、分詞を利用することにより、もともとある主語を放り出して (その部分に副詞の役割を持たせておいて)、文章全体の中で主語を2回登場させなくてもよくしたカタチとなります。
日本語の「聞くと」の部分が “Hearing” にあたるので、「聞く」という動詞と、「〜と」という接続詞が両方含まれているのが確認できますよね。
分詞構文のパターン
みなさんの中には、読んでいる文章の中に分詞構文のカタチがとつぜん目に入ってくると、どうやって訳したらいいのか戸惑ってしまう、って方もいらっしゃるのではないのでしょうか?
まずはじめに言えることは…
- 常に接続詞を意識すること
- 例文をたくさん読んでカタチに慣れること
この2つが大事です。
というわけでここでは、分詞構文にはどんなパターンがあるのかを見ていきます。
① 「時」を表す場合
一番分かりやすい「〜して」「〜すると」というパターンですね。
Walking on the riverside, she found a fragment of some animal’s bone.
「河岸を歩いていると、彼女はある動物の骨の破片を見つけた。」
元々この ”Walking” の部分は、
河岸を歩いている (句)
➡︎ 動物の骨の破片を見つける (主節)
という流れから、時を表す接続詞である “As” を使って…
As she walked on the riverside, she found a fragment of some animal’s bone.
と書き換えることができます。
このように、
(句) の動作や出来事に対して
➡︎ (主節) 次の動作や出来事が起こる
「〜すると、〜する。」
というのが、典型的なカタチとなります。
というわけで、もう1つ同じタイプの例。
Spotting a herd of impala, the lion lowered its body and started crawling slowly.
「インパラの群れを見つけると、そのライオンは低姿勢になってゆっくりと地を這い始めた。」
この例文も、もともとは…
“As the lion spotted a herd of impala, it lowered its body and started crawling slowly.
という感じで、時を表す接続詞 から始まっていたことが想像できます。
時を表す接続詞には、as の他にも whenや while などがあります。
② 「2つの物事が同時に起こる状態」を表す場合
続いては「付帯状況」。
「〜しながら」という2つの動作が同時に行われているシチュエーションになります。
使用頻度No.1のパターンです。
The man was sleeping on the sofa snoring loudly.
「その男は、大きないびきをかきながらソファーで眠っていた。」
「ソファーで眠っている。」と「大きないびきをかいている。」という2つのことが同時に起きています。
後半の “snoring loudly” の部分が分詞構文で、「大きないびきをかきながら」という風に訳すことができます。
前後関係に注目すれば、もとの文章は次のように ”and” が使われていたと考えることができます。
The man was sleeping on the sofa, and he was snoring loudly.
もう一つ例をあげておくと…
She is brushing her teeth listening to a story with audiobook.
「彼女はオーディオブックでストーリーを聴きながら歯を磨いている。」
この文章でも「歯を磨いている。」と「オーディオブックでストーリーを聴いている。」という2つの事が同時に起こっています。
太字の後半の部分が分詞構文になりますが、これも ”and” を使って…
She is brushing her teeth and (she) is listening to a story with audiobook.
と、することができます。
あるいは “while” を使って
She is brushing her teeth while she is listening to a story with audiobook.
と、してもオッケーです。
③ 「 原因・理由」を表す場合
続いては、「〜なので、〜だから」と表現できる「原因・理由」をあらわすパターンです。
Taking off all my clothes in public, I got arrested by the police.
「公共の場で着ている服を全部脱いだため、僕は警察に捕まった。」
分詞構文である “Taking off all my clothes in public” の部分は、その後に続く文章から考慮すると、
Because I took off all my clothes in public, I got arrested by the police.
という風に、「原因・理由」を表す文章であることが想像できます。
同じタイプの例文をもう1つ…
Breaking my leg, I had to go to hospital last night.
「足の骨を折ったので、病院に行かなくてはならなかった。」
この文章でも、前半の分詞構文である太字の部分が、後半の部分の「原因・理由」になっているのが想像できると思います。
というわけで、
Because I broke my leg, I had to go to hospital last night.
という風に、ここでも ”Because” 「〜なので」を使って表現することができます。
同じ様に理由を表現する接続詞 “As〜 “ や “Since〜” なんかも、使用可能です。
④ 「条件」を表す場合
ここでは「〜すれば」という「条件」を表すパターンを見ていきます。
Commuting with bicycle, you can actually save a good amount of money.
「自転車で通勤すれば、あなたは実際のところ結構なお金をセーブすることができます。」
太字で記された分詞構文と後半の部分を比べてみると、前半の部分は「条件」を提示していることが予想できると思います。
この場合、”if” を使って…
If you commute with bicycle, you can actually save a good amount of money.
と、書き換えることができます。
Buying this product, you can get the second one for free.
「この商品を購入すれば、同じ商品の2つ目をタダで購入することができます。」
この場合も同じですね。はじめの分詞構文の部分が「条件」を提示しているのがわかるので…
If you buy this product, you can get the second one for free.
という感じで、”if” を使って書き換えることができます。
⑤「譲歩」を表す場合
使用頻度は今まで取り上げたパターンと比べて低めですが、「〜だけれど」「〜しながらも」という意味で「譲歩」を表現する場合もあります。
Knowing it’s time to go to bed, I can’t stop watching YouTube channels.
「寝る時間だというのは分かってはいるんだけど、ユーチューブを見るのをやめられない。」
太字で記された分詞構文と、その後に続く文との関係を考えてみると、「〜なんだけど」という接続詞がハマるのが想像できますよね。
そこで…
Though I know it’s time to go to bed, I can’t stop watching YouTube channels.
といった感じで、”though” を使って同じ意味の文を作ることが可能です。
Doing as I have been told, I don’t seem to be improving at all.
「言われている通りにやってはいるんだけど、全然良くなっている気配が感じられない。」
これも「譲歩」ってことで
Although I am doing as I have been told, I don’t seem to be improving at all.
という様に、”Although” を使って同じ意味の文を作ることが可能です。
*“though” も “although” も基本的には変わりませんが、“although” を使う方が少々改まった言い方に聞こえます。
過去分詞ではじまる分詞構文
さて、これまでは現在分詞である(-ing)を使った例を見てきましたが、分詞構文には過去分詞(受け身)が使用されることも多々あります。
考え方は、現在分詞の場合となんら変わりはありません。
…という訳で先程と同じ順序で、例文をサラッと見ていきます。
①「時」を表す場合
Seen from the sky, they looked as small as ants.
「空から見ると、彼らはアリと同じぐらい小さく見えた。」
日本語では「〜すると」と訳されますが、主語は主節の部分に出てくる “they” =「彼ら」と同じになるので「見られる側」になります。ということで接続詞 “when” を使って、
When they were seen from the sky, they looked as small as ants.
と、書き換えることができます。
②「2つの物事が同時に起こる状態」を表す場合
She slowly closed her eyes, thrilled by what will be waiting for her.
「彼女は自分を待ち受けているであろう事にゾクゾクしながら、ゆっくりと目をつぶった。」
接続詞の ”and” を用いて…
She slowly closed her eyes, and she was thrilled by what will be waiting for her.
と、書き換えることができますね。
③「 原因・理由」を表す場合
Chosen as a manager, he felt more responsibilities.
「マネージャーに選ばれたので、彼は更なる責任を感じた。」
これも「理由」ってことで接続詞に “Because” を用いて…
Because he was chosen as a manager, he felt more responsibilities.
と、できます。
④「条件」を表す場合
Proved to be innocent, you will be released.
「無罪が証明されれば、あなたは釈放されます。」
これは分かりやすいですね。「条件」の接続詞 “if” を用いて…
If you are proved to be innocent, you will be released.
と、なります。
⑤ 「譲歩」を表す場合
Discharged from hospital today, I didn’t feel that I was fully recovered.
「今日退院したんだけど、完全に回復したようには感じなかった。」
これも日本語だと「退院する」となりますが、退院の許可を出すのは病院側なので、実際は「リリースされる」というニュアンスで「受け身」となります。
「譲歩」の接続詞 “though” を使って…
Though I was discharged from hospital today, I didn’t feel that I was fully recovered.
と、書き換えることができます。
分詞構文の作り方
それでは分詞構文の作り方を見ていきます。
基本的には、前の章の「分詞構文のパターン」で分析したことの逆をやることになります。
分詞構文に書き換える時に覚えておいていただきたいのが、
前提として
コンマによって分けられる文章の、前の句と後ろの句の主語が同じでなくてはならない
ということです。
まずは、この条件を満たしているか確認してください。
そして次に、分詞構文に変換できる文章は、接続詞があるものとなります。
現在分詞の場合
たとえば前の章の一番はじめの文章を例にとってみると、
As she walked on the riverside, she found a fragment of some animal’s bone.
「河岸を歩いていると、彼女はある動物の骨の破片を見つけた。」
河岸を歩いていた “she” と、 “she” は同一人物ですよね。
そして、コンマの前の句が
接続詞 + 主語 + 動詞
のカタチで並んでいるのが確認できます。
① ここでまず 接続詞 + 主語 を文章から削除します…
As she walked on the riverside, she found a fragment of some animal’s bone.
👉 Walked on the riverside, she found a fragment of some animal’s bone.
となりますよね。
② 続いて文頭に来ている動詞を現在分詞である “-ing” のカタチに変形させます。
ということで、
Walked on the riverside, she found a fragment of some animal’s bone.
👉 Walking on the riverside, she found a fragment of some animal’s bone.
となって、分詞構文の完成です。
慣れてしまえば、結構かんたんにイケると思います。
過去分詞(受け身)の場合
受け身の場合も、基本的な流れとしては、現在分詞の時となんら変わりはありません。
Because he was chosen as a manager, he felt more responsibilities.
「彼はマネージャーに選ばれたので、更なる責任を感じた。」
まずはじめに、コンマによって分けられる、前の文章と後ろの文章の主語が同じであることを確認した後、接続詞 +主語 + 動詞 のカタチから 接続詞 + 主語 を削除します。
Because he was chosen as a manager, he felt more responsibilities.
👉 Was chosen as a manager, he felt more responsibilities.
ここで、現在分詞の “-ing” のカタチが用いられる訳なのですが…
Was chosen as a manager, he felt more responsibilities.
👉 Being chosen as a manager, he felt more responsibilities.
基本的に受け身の分詞構文では ”being” は省略されるため
👉 Chosen as a manager, he felt more responsibilities.
となり、完成となります。
*ただし例外として、「原因・理由」を表す分詞構文の時は “being” を残すときもあります。
(という訳で、上の例文の場合では、”being” を省略しなくても、オッケーということになります。)
まとめ
というわけで今回は、分詞構文に関しての基本的な知識に関してでした。
基本的に分詞構文は、付帯状況 (2つの動作・状況が同時に起こる状態を表す場合)以外は、口語表現において滅多に使われることがありません。
ですので、自分で使えるようになるほど頑張る必要はありませんが、文章を読む際に理解ができるように基本は抑えておくべきです。
最後にまとめとして、次のことを頭に入れておきましょう。
- 「分詞構文」とは「分詞」が「動詞と接続詞の両方の役割」を受け持っている構文。
- 文章の前後関係から接続詞を思い浮かべて訳す。
- 「〜する」と訳せるなら “-ing” 形の現在分詞、「〜される」なら受け身形の過去分詞。
- 分詞構文に書き換える前に、コンマによって分けられる、前の文章と後ろの文章の主語が同じであるかどうか確認。
こんなところですかね。
そして最後に、「分詞構文はスピーキングでは、ほとんど使われない」という事実。
分詞構文がどんなものかを理解して、さらに口語表現ではあまり使われないと知ったとなると、ちょっと肩の荷が下りますよね。✨
(とは言え、リーディングには必要な知識ということに変わりはないのですが。w)
それではまた。
コンカズ
*この記事の英語ヴァージョンは 👉 こちらから